
むかしむかし
ジャイアント・ジョンという
おおきな おおきな おとこのこが すんでいました
妖精たちが 音楽を きかせると
ジョンの からだは しぜんに うごきだし
おどり つづけるのでした
ある晩
「もう たべるものが ないの」
と、おかあさんが いいました
「おかあさん なかないで しごとを さがしに いってくるよ」
ジョンは
りっぱな お城まで やってきました
おうさまと おきさきさまは
ジョンに しごとを あたえました
ジョンは
雨の日には お城に 傘を さし
暑い日には 涼しい 風を おくり
洗濯ものを ほすのも おてつだい
お姫様には おうまさん ごっこ
お城の ほこりも はらい きれいに ふきました
妖精たちが 飛んで きました
魔法の 音楽を はじめると
ジョンは おどりだし
おどって おどって おどりつづけ
大混乱!
お城を こわして しまいました
ジョンは
お城を なおしました
そっくり 同じという わけではありませんが
おうさまと おきさきさまは
「いいおしろになった」と いいました
ジョンは
おかねの はいった ふくろを もって
いえに かえりました
みんな、いつまでも しあわせに くらしました
・・・
失敗もありましたが、さいごは、貧しいおかあさんにお金を持って帰ることができました。めでたしめでたしの物語です。
ジョンが家に帰ったとき、お腹をすかせたおかあさんが、食べようとしていたものにビックリしました。なんと皮の靴(!)を食べようとしています。絵がその様子を表現しています。靴を食べようとするほど貧しく飢えていたのです。別のおはなしが生まれてきそうです。絵は、本文に書かれていないことまで語っています。そして、最後の絵によって、それまでの物語の見え方まで少し変わってきます。
チャップリンの映画『黄金狂時代』(1925年)にも、同じような場面がありました。こちらは、悲惨な状況をユーモラスな演技で、笑いにかえています。
・・・
※『ジャイアント・ジョン』 アーノルド・ローベル作、福本友美子訳、文化出版局 2004年 (2026/10/4)









