
絵本の最後に、「ぼくのゆめ」という谷川俊太郎の詩があります。
ぼくの夢は、「いいひとになりたい」です。
絵本は、その「いいひと」を描いています。
ゴリラで。
ほかの生きものとともに いきる
オサム
いばらない
みんなの布団をしいている
遠くの 山を 眺め
近所の子の 相談にのり
ふたりの子どもに 絵本を読んでいる
だれもが いい人だというけど
オサムは そう思っていない
どちらかというと無口
手紙をかく
昔教わった小学校の先生に
墓参りをする
オサムは今日も つつましく生きている
・・・
オサムは、いばらず、みんなの布団をしき、近所の子どもの相談にのり、ふたりの子どもに絵本を読みます。昔教わった小学校の先生に手紙を書き、お墓参りもします。特別なことをするわけではありません。ただ、つつましく、ほかの生きものとともに生きています。周りの人は、オサムを「いいひと」だと言います。でも、オサム自身は、そう思っていません。
周りから「いいひと」と思われているオサムの姿を見たあとで、「ぼくのゆめ」の詩を読むと、「いいひと」とは何なのだろう、とあらためて考えたくなります。
・・・
※『オサム』 谷川俊太郎文、あべ弘士絵、童話屋 2021年 (2026/10/18)









