ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ヒマラヤのふえ』- 不思議な笛の力と妻の知恵

「昔 ヒマラヤのふもと クマオンというところで うたわれていた物語」(サブタイトル)

    

   

むかしむかし、ヒマラヤの 谷あいに 

ラモルと プリンジャマティという 貧しい夫婦が住んでいました

    
ある時

おじいさんが やって来て

「なにか たべさせてくれませんか」と たのみました

    

ふたりは

食べられるものを 全部だして

「これでよかったら どうぞ」と いいました 

   

おじいさんは 竹笛を お礼にあげました

   

   

ラモルが 笛を 口にあてると

もうすばらしい 音色が 響きます

   

 岩だらけの 土地から 

 草や木が のび

 花が さき

 きれいな 花園に なりました

 

 

夜

ラモルの笛の音を きいた

みっつ星が 

ふくろうに 変身して 地球におりてきました      

ふくろうたちは 

夜が あけるのにも 気づかず

聞きほれ、笛の響きに しばりつけられました

    

みっつ星は、ラモルを まるはなばちに かえてしまいました

    

プリンジャマティは

笛をくれた おじいさんから

みっつ星は 三日月の夜に 銀色の さかになって

池にあらわれるという、秘密を おしえてもらいました

そして、魔法のひもを もらいました

     

プリンジャマティは

魔法のひもを織り、網をつくりました

そして、三日月の夜に 3びきの さかなを とらえました

    

みっつ星は 言いました

 魔法の笛が きこえなく なるように

 耳にふたを してくれたら ラモルを返す

    

プリンジャマティは

蓮の花を とって 星たちの耳に ふたをして やりました

     

すると、蜂になっていた、ラモルが あらわれました   

     

          ・・・

ものがたりの冒頭で、まずしい夫婦は、老人に食べ物を惜しみなく差し出しました。また後半では、プリンジャマティが知恵を働かせ、夫を救いだします。ものを惜しみなく差し出す心と、愛する人のために行動する姿が描かれています。

     

また、笛の音は、荒れた土地を花園に変える一方で、三つの星たちを夢中にさせました。そして、ラモルは蜂に変えられてしまいました。音楽の不思議な力には、恵みと危うさの両面があります。

          

ふしぎな出来事が、つぎつぎに起こる物語ですが、それを動かしているのは、魔法の力だけではありません。夫を取り戻そうとするプリンジャマティの思いと行動する知恵がありました。一本の笛が世界を変え、妻の知恵がその世界に起きた危機を解決するところに、この昔話のおもしろさがあるように思います。

     ・・・

※『ヒマラヤのふえ』 A.ラマチャンドラン作・絵、木島始訳、木城えほんの郷 2003年

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