ふるはしかずおの絵本ブログ3

『だいじなとどけもの』― キスは、どこへ届く?

くまくんが描いた一枚の絵。

そのお礼に贈られた「キス」が、思いがけない旅に出ます。

    

    

こぐまのくまくんが、

絵を 描きました

「よくかけたなあ」と

おばあちゃんに、絵を あげることにしました

めんどりさんに、頼んで、絵を届けてもらいます

  

   

絵をもらった おばあちゃんは、大喜び。

めんどりに、キスをすると、こう言いました

  

 「これは、わたしから、くまくんへ、

  お礼のキスですよ。

  あなた、これ、くまくんにとどけてくれますか?」

   

   

ところが、

めんどりさんは、

途中で、友だちに 出会い、

おしゃべりが したくなって

預かったキスを、かえるさんに 託します

   

    

かえるさんは、ねこさんに 

ねこさんは、スカンクくんに たのみます

  

 

スカンクくんは、

かわいい女の子のスカンクに 出会って しまいました

ふたりは、なんども、キスをもらったり、かえしたりしました

   

おばあちゃんからのお礼のキスは、くまくんに届くのでしょうか?

     

             ・・・

センダックの絵には、動物たちの表情やしぐさが、生き生きと描かれています。人物たちの心が、目の表情にあらわれています。友だちに出会えば、おしゃべりがしたくなるめんどりさん。かわいい相手に出会えば、夢中になってしまうスカンクくん。そんな動物たちの姿が、なんとも愉快です。

   

    

おばあちゃんへの贈り物が、動物たちのあいだを巡るうちに、新しい出会いを生み出しています。スカンクくんたちは、結婚することになりました。だいじなものを誰かに届けることが、思いがけない幸せにつながることになりました。

        

            ・・・

※『だいじな とどけもの』E・H・ミナリック文、モーリス・センダック絵、松岡享子訳、福音館書店、1972年  (2026/10/27)

SHARE