ふるはしかずおの絵本ブログ3

『おばあさんとトラ』- つめたい雪の中にいるトラ

「老い」と「孤独」の問題を描いた絵本として読みました。

  

   

一人暮らしの ヨセフィーンおばあさん

森を 散歩していたとき、

トラに 出会いました

      

トラは 

ヨセフィーンに あたまを こすりつけてきました

ゴロゴロゴロ

トラは のどを ならします

  

  「うちに くるかい?」

 

 

ご飯を あげると、

ガツガツガツ 一気に たいらげます

      

    

次の朝

トラの いびきで 目ををさました おばあさん

いっしょに 買い物に でかけました

夜には おばあさんは 本を 読み、

トラは 夢を みました

   

 ゴロゴロゴロ・・・ゴロゴロゴロ・・・

     

    

町の人たちも トラに なれてきました

トラは 絵描きさんの モデルになりました

近所の おとこのこは

学校で トラといっしょに 

トラについて 発表することに なりました。

トラは 子どもを 背中に のせてあげます

 

   

でも、

トラは ホームシックに かかりました

おばあさんは

トラを ジャングルに 返すことにしました

さようなら

      

 

また、

寒い季節が やって来ました。

おばあさんは、

小さなねこを 見つけました

 

 「おちびちゃん、

  あんたは どこのこだい?

  

 

おばあさんは こねこを 連れて帰りました。

次のあさ、

こねこは ちいさな声を だします。

ゴロゴロゴロ・・・

 

 「かわいいねえ!

 わたしは ヨセフィーン。 

 あんたのなまえは・・・トラよ!

 

ふたりは 雪の中を 散歩します

    

          ・・・

おばあさんの言葉と生活に焦点をあてて、「老い」の孤独を描いた絵本として読みました。雪の季節に、トラやこねこと友だちになるところに、老人の孤独を感じます。

   

でも、トラに焦点を当ててれば、別の読み方ができそうです。本当に住み心地のよいところは、生まれ故郷であること、そこにトラを送り返すおばあさんの優しさを感じます。トラは「難民」のメタファーかもしれません。

     

「オランダで 最高の絵本作家に贈られる「金の絵筆」賞を3回受賞した作家による、こころいやされる絵本!」(評論社)
    

            ・・・

※『おばあさんとトラ』 ヤン・ユッテ作、西村由美訳 徳間書店 2021年 (2025/8/5)

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