ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 ん 』 -「ん」がなけりゃ

「あいうお」の五十音の最後についている「ん」。

おまけかな。

いえいえ。

声に出してみると、魅力いっぱいの「ん」。

声に出して読んでみましょう。

     ・・・

長田弘さんは、「ん」という言葉のさまざまな表情を書いています。

  

 ぴん、と きた。

 ぷんぷん、おこった。

 なつ。みーん、みーん。

 ふゆ。しーん、しーん。……

ここまで書いてみましたが、やはり要約して紹介するのが、難かしい絵本です。絵本をご覧いただければ思います。

絵本の中に次のような文があります。

     

 ごはんも ごはんが なきゃ

 ごめんも ごめんが なきゃ

    

遊びが過ぎるかもしれませんが、この言葉遊びをもう少し続けてみます。。

   

 じかんも じか。

 てんびんは てび。

 すっぽんも すっぽ。

 マンションも マショ

 しんかんせんも しかせ。

 せんすいかんは せすいか。

 松本清張の「点と線」は てとせ

   

やっぱり、「ん」がないと困る。  ゚(゚´Д`゚)゚  言葉遊びをして見るのも面白いと思ってやってみましたが、絵本にはありません。ごめんなさい。

作者・長田弘(1939-2015)さんのメッセージがありました。絵本の魅力を簡潔に伝えています。

   

「「ん」はとてもふしぎな言葉。辞書をひいても、きれいさっぱり何の意味もありません。ところが、ところが、口にだしてみると、たった1つで、これほどさまざまにゆたかな意味合いをもつ言葉はありません。

れっきとした日本語なのに、いろはに47字にも、あいうえ50音にもなく、はみだし、おまけ、みたいにされてきたのに、どうして、どうして、たった1つで、これほどさまざまにゆたかな表情をあらわす言葉はありません。」

       ・・・

また、絵は、表情ゆたかに顔を描いています。目と口だけですが、いろいろな表情の顔があります。アニメーション作家でイラストレーターの山村浩二さんの作品です。

       ・・・

※『 ん 』 長田 弘 作、山村 浩二 絵 講談社 2013年 (2020/4/4)

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