ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 どろんこ ハリー 』- 遊びが だいすき、 おふろは だいきらいなハリー


遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん、
遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ。

『 梁塵秘抄 』

・・・

ハリーは、黒い ぶちのある 白い いぬ。
お風呂が だいきらい。
からだを 洗うブラシを
土に埋めて、家から 飛びだします。
・・・
ハリーは、

あちこちで 遊び、
泥だらけ。
ハリーは、 子どものすがた そのもの。
読者は、ハリーに 自分を 重ねていくことでしょう。
ふ
泥だらけの ハリー。
いまでは、白い ぶちのある、
黒い いぬに なってしまいました。

うちに 帰っても、
だれも ハリーとわかりません。
家族に わかってもらいたい
ハリーの行動が、笑えます。( 下図 )
あ
でも、
ハリーは、ひらめきました。
ブラシをくわえて、お風呂に まっしぐら。
きれいになった ハリー。
しあわせそうな ハリー。
・・・
ハリーの表情は、ゆたかで いきいき。
それは、遊びをする 子どもの姿です。
また、
泥んこになって生きる姿、生き方、
自分のやりたいことを 徹底的にやってのける ハリーを見ると、
大人の、私たちの心にも 響くものがあります。
・・・
※『 どろんこ ハリー 』  ジーン・ジオン文、 マーガレット・ブロイ・グレアム絵、 渡辺茂男訳、 福音館書店 1964年 (原作は1956年)
・『 うみべの ハリー 』 渡辺茂男訳 福音館書店  1967年
・『 ハリーの セーター 』渡辺茂男訳 福音館書店  1983年
・『 ハリーの だいかつやく 』 森比左志訳 ペンギン社  1982年
(2016/4/20)

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