ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ひとのなみだ』- 反戦、平和をねがう

ロボットが闘う近未来の戦争!

その中で、ひとのこころを とりもどす ぼくのはなしです。

 

 

大統領が 叫び

戦争が 始まる

でも、ぼくは いかない

戦争に いくのは ロボットの へいたい

     

テレビから ながれる ロボットの へいたいの 行進

倒した 敵のすうじが ながれていく

     

 ぼくたちは かなしくない

 ぼくたちは しなない

 ぼくたちは あそんでいていい

       

   

しらないふりで あそびつづけた

ひとりに なりたくなかった

なかまはずれに なりたくなかった

     

  

ロボットの へいたいが かえってきた

バンザーイ

バンザーイ

とつぜん テレビに 戦場が うつった

    

     

ぼくは 大声をあげて 泣いた

とおくで ぼくの呼ぶ 母のこえが きこえてきた

   

 きこえてくる

 親を よんでる 子どもの声が

 子を よんでる 親の声が

 ロボットに されていた ぼくたちのこころに

 ひとごろしに なっていた ぼくのこころに

    

   ―― おかあさーん

      

すこしずつ

すこしずつ

ぼくたちは ひとに もどっていく

平和を ねがいながら

ひとの なみだを ながしながら

     

              ・・・

非戦と平和への願いを正面から訴えた絵本です。戦争はロボットがする時代を描いています。ロボットは、涙をながさない、ひとを殺すことをためらいません。戦争によって、誰かが傷つき、誰かが死んでいるのに、自分たちは安全な場所で遊んでいられることが書かれています。戦争は、自分の身体から切りはなされています。

   

でも、テレビから流れる戦場を見て、ぼくは大声で泣きました。ぼくたちは、戦争に対して、どのように対峙するのかという、ぼくの思い、こころが表現されています。涙を流し、誰かを思うことによって、少しずつ人間に戻っていきます。    

       

戦争は、ロボットがはじめたのではありません。戦争をはじめたのは、「にんげん」です。絵本では、「だいとうりょうが さけぶ せんそうが はじまる」とあるように、戦争を始めるのは人間です。 人間はなぜ戦争を始めるのでしょうか。絵本を読み終えると、新しい問いが私たちの前に残されます。    

                

        ・・・

※『ひとのなみだ』 内田麟太郎文、nakaban絵、童心社 2024年

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