ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ぜったい たべないからね』-トマトは「まんげつぶちゅっ」

チャーリーの妹の ローラには、

食べたくないものが たくさんあります

にんじん、グリーンピース、じゃがいも

何より、トマトは、絶対に 食べたくありません

    

    

チャーリーは

嫌いな食べ物に、別の名前をつけ、

遠い星や

不思議な世界からやってきた、食べ物のように話します

  

  

ニンジンは、こんなふうです

  

 「はるばる木星から届いた ”えだみかん” だよ」

 「じゃ、ひとくちかじってみようかな」

まめは、「あめだまみどり」

じゃがいもは、「くもぐちゃらん」

魚のフライは、「ころもうみ」

   

    

ローラの反応が、少しずつ変わっていきます

    

最後には、

あれほど嫌がっていた トマトを 

指さして 言いました

   

 「あれ とってくれない」

 「あれって、あれ?」

 「そうよ。だって これは

  あたしのすきな、まんげつぶちゅっとだもの」

    

 「おにいちゃん、

  これのこと、トマトだと おもってたの?」

     

         ・・・

チャーリーは、ローラの嫌いな食べ物に、別の名前をつけました。

にんじんは、ただのにんじんではなくなりました。グリーンピースも、じゃがいもも、ローラの想像力を動かすものに変わっていきました。食べ物そのものが変わったわけではありません。変わったのは、それを見るローラの気持ちです。チャーリーは、食べ物の名前を変え、物語をつくることで、ローラの世界を少しずつ変えていきました。

        

ローラが、チャーリーのつくった世界に入っていくことで、ふたりのあいだに新しい遊びが生まれています。言葉と想像力を使って、食事の時間をふたりの楽しい遊びに変えました。目の前にあるものも、想像力を働かせることで、違ったものに見えてくる。そんな発見を楽しませてくれる絵本です。

     

ローレン・チャイルドの絵は、写真のような食べ物の画像と、人物や文字を組み合わせる独特のコラージュ表現です。

           ・・・

※『ぜったいたべないからね』 ローレン・チャイルド作、木坂涼訳、フレーベル館 2016年

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