ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ひとりぼっちのオオカミ』- 人間とともに暮らし始める

オオカミと人間の出あい、またイヌの起源を物語風にえがいた絵本です。

     

      

ずっとむかし、森のなかで 

いっぴきの オオカミの子どもが うまれました

    

オオカミの子は

きょうだいたちと 違っていました

カタツムリのあとを つけ

ハタネズミではなく、自分のしっぽを 追いかけ

巣穴近くで すごすのが すきな子でした


 きょうだいの みんなみたいだったら よかったのに
 ほんものの オオカミみたいだったら よかったのに


 

ある日

オオカミの子は 

群れの みんなと はぐれてしまいました

オオカミの子は ひとりぼっち でした

   

 

そのときでした

見たこともない生きものと であったのです

   

その生きものは

大きくは ありません

なかまの におい

食べ物の においが します

ふしぎな ぬくもりを かんじました

   

その生きものは 手を のばして

てのひらを・・・

    

 オオカミの子の あたまのうえに のせたのです

    

   

こうして 何年もが 過ぎ

オオカミの子は こんなふうに 思うように なりました

     

 きょうだいたちと にていなくて よかった

 オオカミらしくなくて ほんとに よかった

   

 みんなとちがうって なんて すばらしいの

   

        ・・・

オオカミの子は、きょうだいたちとは違っていました。けれども、人間と出会い、長い時間を過ごすうちに、その違いを肯定できるようになっていきます。もちろん、イヌの誕生が、この物語のとおりだったとわかっているわけではありません。

    

この絵本は、イヌの起源を描くだけではありません。「みんなとちがうって なんて すばらしいの」。自分では欠点だと思っていたことも、出会う相手や環境によって、違った意味をもつことがあります。自分と違うものを否定するのではなく、その違いのなかに可能性を見いだす。そんなことを考えさせてくれる絵本です。

     

巻末にはイヌの起源に関する解説があります。それによると、イヌと人間とともに暮らし始めるのは、遺伝子の研究から、1万5千年前から4万年前のどこかであろうということです。

    

           ・・・

※『ひとりぼっちのオオカミ』 ケイティ・スリヴェンスキー、ハンナ・サリヤー絵、大竹英洋 BL出版 2024年  (2026/10/14)

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