
未来を生きる「きみ」(愛娘)に、「ぼく」(父)の人生の知恵を語ります。
きみと ぼくで 「さあ、なにをつくろう?
道具を 集めよう
扉を つくろう
何もない ところに
家を つくるんだ
時計を つくろう
家のそばに おおきな 穴を つくろう
(かくれたくなる時もあるから)
砦と 壁も つくる
嫌いな敵から 身を守るために
でもね
かつことがあれば まけることもある
いつも きみが ただしくて
てきが わるいとは かぎらない
入口も つくろう
テーブルも、
塔も
どこにでも いける トンネルも
月まで とどく 道も
ハンモックも
沈まない 船も
大事なものを しまっておく 小屋も
ぼくは おもうんだ
きみが ほんとうに つらくて こまったときに
そんな ばしょが ひつように なるかも しれないって
でも、
いまは、たき火を つくろう
たき火は やさしく 包みこむように
ぼくらのことを あたためてくれる
さあ つくっていこう
きみと ぼくで
・・・
「きみ」が生きていく場所を、きみとぼくとで作っていこうと語っています。それは、「いっしょに みらいを いきていくための けいかく」(サブタイトル)です。
扉、家、時計、おおきな穴、砦と壁、入口、塔、トンネル・・・ これらがなにを意味するのか、いまの「きみ」は分からないかもしれない。でも、いつかその意味を見つける日がくるだろう、と願っています。また、「いつも きみが ただしくて てきが わるいとは かぎらない」。自分の正しさを疑うことを忘れないでほしい、とも言っています。
でも、いまは、ぼくらのことを暖める「たき火」をつくるのです。「たき火」を囲んですごす暖かい(温かい)時間や関係が、未来を生きる力となります。「たき火」には、象徴的な意味があるように思います。
今を生きのびるために 精一杯 闘っているときには
未来のことを 自由に思い描いて 計画を立てることなんて できない
僕たちよりも 困難な状況にある 父親と娘たちへ
この地球上のみんなが 平等になることを 僕らは願っています
心をこめて オリヴァーとマリーより
困難な状況にある、地球上のすべての人の「平等」を、作者は願っています。「ぼく」と「きみ」から「ぼくら」へ。そして世界中の「父親と娘たち(子どもたち)」へと、世界はひろがります。
・・・
※『きみとぼくがつくるもの』 オリヴァー・ジェファ-ズ作、tupera tupera訳、ほるぷ出版 2021年









