ふるはしかずおの絵本ブログ3

『まちのねずみ と いなかのねずみ』- 現代に生きる寓話

有名なイソップ寓話です。

    

          

むかし むかし

いなかのねずみの ところに、

王さまの宮殿にすむ、ともだちが 訪ねてきました


いなかのねずみは、

チーズやベーコン

採れたばかりの 小麦や とうもろこしで もてなします

 

  

まちのねずみは 言いました

  

 「こんな ぱっとしないところで

  いなかの たべもので、げんきにしていられるなあ

    

まちのねずみは、いなかのねずみを 宮殿にさそいました 

  

    

2ひきが 宮殿につくと

おおきな 食堂に ごちそうの のこりが どっさり

  

 クリーム

 ジェリー

 ケーキ

 パルメザン・チーズ

 ふたりは シャンパンを のみました

    

        

けれど

いぬが ほえたり

ねこが ミャーオ―と 鳴く声が きこえ

ふたりは しぬほど びくびくしました

   

召使は あっというまに なにもかも かたづけてしまいました

    

いなかのねずみは ソファーの足の したで

ぶるぶる ふるえながら かくれていました

   

   

いなかのねずみは まちのねずみに いいました

 

 「あんしんがなくちゃ、じょうひんさなんて なんだ?

  ものが いっぱい あったって、どきどき 

  どきどきしながらじゃ なんのやくに たつんだい?」

    

いなかのねずみは 

小屋に かえり

すやすやと ねむれる やすらかさを とりもどしました

    

               ・・・

有名なイソップ寓話です。多くの絵本がありますが、ポール・ガルドンは、いなかのねずみの視点から、危険な宮殿のようすを描いています。いぬ、ねこ、召使たちは大きく描かれ、ソファーの下に隠れたいなかのねずみは、とても小さな存在として描かれています(上の絵)。それは、宮殿のなかで、ねずみが、どのような存在なのかを表現しています。

      

いなかのねずみが体験したように、ねずみにとって安全(身を守ること)は、とても大切なこと。安心して暮らせることが一番です。都会の生活と地方の生活を対比してみれば、わたしたちの生活についての現代的な寓話です。

       ・・・

※『まちのねずみと いなかのねずみ』 イソップ寓話、ポール・ガルドン絵、木島始訳 童話館出版 1997年  (2025/12/5)

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