わたしは やっぱり わたし、
と 気がつく やせたぶたの おはなしです。
・・・
ぶたの仲間のなかに いっぴき やせたぶたが います。
フータローです。
おなか いっぱい 食べるのに 太れない
フータロー。
みんなから ばかにされ、
いじめられていました。
・・・
なんとか 太りたい、
フータローは、 さるのはかせに 相談にいきました。
さるの はかせの アイディアは?
フータローの おしりから 空気を入れて 太らせること。( 笑 )
フータローは、
空気がはいって まるまると 太っていきました。
でも、 ちょっと 軽いのです。
・・・
風が 吹いてきました。( つぎの展開が わかりそうです。)
フータローは、
くじゃくの エミコと いっしょに
空たかく 舞いあがって しまいました。
富士山よりも たかいところへ。
ふたりは 空の旅を はじめます。
ふたりの やりとりに おかしさが あります。
・・・
「 おひさまに ぶつかって やけしぬよ 」 と フータローが、 にくいことを いいました。
「 ふん、 それじゃ、 あんたは さしづめ とんかつね 」 と、 く じゃくも まけずに いいかえしました。
・・・
風むきが かわり、
さあっと 下へ 落ちはじめました。
ふたりは、
どうなるのでしょうか ?
・・・
うーん! いきが つまって、めが まわりました。
ここは あのよか、と おもったら、そこは うみの まんなかでした。
・・・
「 あのよ 」 と 「 うみの まんなか 」 の 取りあわせが 笑えます。
空気が はいった フータロー。
海に 浮いて たすかりました。 ( 笑 )
そして、
フータローは、 もとの やせぶたに もどることに しました。
・・・
ひとが どういったって、 そんなこと いいや、 じぶんは じぶんさと、フータローは おもうのでした。
・・・
コミカルな タッチの 絵と ユーモアのある文章です。「じぶんは じぶんさ」と軽くひらきなおる魅力的な人物、 フータロー。フータローへの共感が広がります。
・・・
※ 『 やせた ぶた 』 きじま はじめ 作、 ほんだ かつみ 絵、 リブロポート 1991年発行
残念ですが、 絶版のようです。 図書館で さがしてみてください。 復刊を のぞみたい 絵本です。 (2014/4/10)