ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 アンジュール  ある犬の 物語 』- 絵が ストーリーを かたり、ドラマを うみだします

文字のない 絵本。

白黒のデッサン画 の 絵本です。

     ・・・

あるひ

犬 は、

車の窓 から     

ポイッとから 投げすてられました。

まるで ごみを 捨てるように。

走り去る 車。

追う 犬。

でも

車は 見えなくなってしまいました。

 

犬 は、     

歩きはじめます。

車道に とびだし、 車同士の 大事故に。

それ を

振りかえりながらも、

かれ は

ひたすらに 歩きつづけます。

     ・・・

大空    

黒い雲  

うみべの なかで

点のように 描かれた    犬

画面のなかに    消えいりそうな  いぬ

空にむかって ほえる いぬ。

     ・・・

野を さまよう 犬。

たたずむ いぬ。

街にたどり着き、

そして、

ラストシーンです。

かれ 

ひとりぼっちの  子ども と  出会うのでした。

  ( どんな子 なのでしょうか。

    この子の背景も 知りたくなります。 )

 

ものいわぬ 犬。

でも、

その姿態 と 表情が 語るのです。

必死さ

期待

おびえ

不安

落胆

あきらめ

かなしみ

孤独

よろこび を。

     ・・・

ガブリエル・バンサンの 愛と やさしさを 感じます。

アンジュールとは、 ある 一日。いまもある ある一日です。

        ・・・

※『 アンジュール  ある犬の 物語 』  ガブリエル・バンサン作、  BL出版  1986年

【 追記 】 この犬のことを、犬、いぬ、かれと表記しました。蛇足ですが、それは、この犬のことだけではないこと、そして今もあることだからです。

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