文字のない 絵本。
白黒のデッサン画 の 絵本です。
・・・
あるひ
犬 は、
車の窓 から
ポイッとから 投げすてられました。
まるで ごみを 捨てるように。
走り去る 車。
追う 犬。
でも
車は 見えなくなってしまいました。
犬 は、
歩きはじめます。
車道に とびだし、 車同士の 大事故に。
それ を
振りかえりながらも、
かれ は
ひたすらに 歩きつづけます。
・・・
大空
黒い雲
うみべの なかで
点のように 描かれた 犬。
画面のなかに 消えいりそうな いぬ。
空にむかって ほえる いぬ。
・・・
野を さまよう 犬。
たたずむ いぬ。
街にたどり着き、
そして、
ラストシーンです。
かれ は
ひとりぼっちの 子ども と 出会うのでした。
( どんな子 なのでしょうか。
この子の背景も 知りたくなります。 )
ものいわぬ 犬。
でも、
その姿態 と 表情が 語るのです。
必死さ
期待
おびえ
不安
落胆
あきらめ
かなしみ
孤独
よろこび を。
・・・
ガブリエル・バンサンの 愛と やさしさを 感じます。
アンジュールとは、 ある 一日。いまもある ある一日です。
・・・
※『 アンジュール ある犬の 物語 』 ガブリエル・バンサン作、 BL出版 1986年
【 追記 】 この犬のことを、犬、いぬ、かれと表記しました。蛇足ですが、それは、この犬のことだけではないこと、そして今もあることだからです。