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韓国の絵本作家、ペク・ヒナさんの絵本です。
翻訳は長谷川義史さん。訳文は関西弁です。
・・・
ひとは ぼくを グズリと よぶんや。
パンウリというおかあちゃんから生まれた、4ばんめの犬。
それが ぼくや。
おとうちゃん、
おばあちゃん、
ドンドンの家にやってきた。
ドンドンというのは、6歳の子。
すぐこけるし、わるさはするし、すぐ泣く、おもらしもするし、おねしょもする。
ぼくが、ずっと めんどう みたらな あかんか。
・・・
ぼくのかあちゃんパンウリは、毎年
こどもをぎょうさん うまはる。
ボスママやで。
近所の犬は、ぼくのきょうだいというはなしや。
・・・
きょうはみんなでかけて、家にはぼくひとり。
でも、
ようやく、
さんぽや!
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散歩の途中に、
チュロンちゃんがおしっこをした後を見つけ、
ねこを見かけ、
ぼくのかあちゃんや、
ドンドンに出会う ぼく。
わん
わん
わん
わん
ドンドンとあそぶ ぼく、
ドンドンといっしょのベッドの ぼく。
ドンドン・・・ねたんか、
ぼくも・・・ねむたい・・・。
あ、
あかん、
はらが
あっ、ああ。
うん!
( ウンチ! Σ(゚д゚lll) )
・・・
おとうちゃんはかんかん。
でも、
ドンドンは、ぼくと寝てくれます。
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ぼく・グズリの目線から描かれた世界です。そこは、 ぼく・グズリの世界ですが、ふれあい、おどろき、 怒り、笑いのあるわたしたち庶民の日常世界世界でもあります。
人物たちは、表情にあふれた人形です。それがペク・ヒナさんの絵本の魅力です。また、長谷川義史さんの関西弁の翻訳が、人情あふれる下町の雰囲気を伝えています。笑いがあります。でも、ドンドンのおかあちゃんが登場しないのはなぜかな。
(おとうちゃんと別れたのかもしれない)
(そんなこと、わからへん)
ペク・ヒナさんは、2020年、スウェーデンのアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞しました。「絵本界のノーベル賞」ともいわれています。
・・・
※『 ぼくは犬や 』ペク・ヒナ作、長谷川義史訳、ブロンズ新社、2020年 (2020/11/20)