ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 ぼくは犬や 』-これがぼくが生きてるとこや

韓国の絵本作家、ペク・ヒナさんの絵本です。

翻訳は長谷川義史さん。訳文は関西弁です。

    ・・・

ひとは ぼくを グズリと よぶんや

パンウリというおかあちゃんから生まれた、4ばんめの犬。

それが ぼくや。

おとうちゃん、

おばあちゃん、

ドンドンの家にやってきた。

ドンドンというのは、6歳の子。

すぐこけるし、わるさはするし、すぐ泣く、おもらしもするし、おねしょもする。

ぼくがずっと めんどう みたらな あかんか

      ・・・

ぼくのかあちゃんパンウリは、毎年

こどもをぎょうさん うまはる。

ボスママやで。

近所の犬は、ぼくのきょうだいというはなしや。

       ・・・

きょうはみんなでかけて、家にはぼくひとり。

でも、

ようやく、

さんぽや!

散歩の途中に、

チュロンちゃんがおしっこをした後を見つけ、

ねこを見かけ、

ぼくのかあちゃんや、

ドンドンに出会う ぼく。

わん

わん

わん

わん

ドンドンとあそぶ ぼく、

 

ドンドンといっしょのベッドの ぼく。

ドンドン・・・ねたんか、

ぼくも・・・ねむたい・・・。

あ、

あかん、

はらが

あっ、ああ。

うん!

 ( ウンチ!  Σ(゚д゚lll) )

    ・・・

おとうちゃんはかんかん。

でも、

ドンドンは、ぼくと寝てくれます。

ぼく・グズリの目線から描かれた世界です。そこは、 ぼく・グズリの世界ですが、ふれあい、おどろき、 怒り、笑いのあるわたしたち庶民の日常世界世界でもあります。

 

人物たちは、表情にあふれた人形です。それがペク・ヒナさんの絵本の魅力です。また、長谷川義史さんの関西弁の翻訳が、人情あふれる下町の雰囲気を伝えています。笑いがあります。でも、ドンドンのおかあちゃんが登場しないのはなぜかな。

  (おとうちゃんと別れたのかもしれない)

  (そんなこと、わからへん)

 

ペク・ヒナさんは、2020年、スウェーデンのアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞しました。「絵本界のノーベル賞」ともいわれています。
       ・・・

※『 ぼくは犬や 』ペク・ヒナ作、長谷川義史訳、ブロンズ新社、2020年 (2020/11/20)

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