寒い季節の、こころ温まるおはなしです。
・・・
コールテンくんは、
ぬいぐるみの くま。
デパートのおもちゃ売り場にいます。
はやく
だれか
つれていって
くれないかなあ 。
・・・
ある朝
おんなのこ(リサ)が、
コールテンくんの前でたちどまりました。
こんな くまが ほしかったの 。
おかあさんは、
ボタンがとれていると言います。
・・・
その晩
コールテンくんは、
デパートを探検しました、
なくしたボタンをさがしに。
エスカレーターに
びっくり、
ベッドについている
ボタンをひっぱったり・・・
でも、
けいびいんさんに つれもどされてしまいました。
・・・
つぎの朝
おんなのこ(リサ)が、
じぶんの貯金をもってやってきます。
あたし、 あなたを つれに きたのよ。
( つれにきた。 すてきな言葉です。 )
家にかえったリサは、
コールテンくんにボタンをつけ、
ぎゅっとだきしめるのでした。
しあわせそうな コールテンくん。
さいごに
コールテンくんは言います。
ともだちっ て、
きっと、きみのような ひとのことだね。
・・・
※ 『くまのコールテンくん』 ドン = フリーマン作、まつおかきょうこ訳
偕成社 1975年 (初版は1968年)
【 追 記 】
ドン = フリーマンの 絵本は、『くれよんの はなし』についで2冊目になります。 この絵本もこころ 温まるフリーマンの世界です。コールテンくんの表情がとても生きいきしています。 こうしたところから、子どもは人間の感情を理解していくのでしょう。
また、くりかえしの表現がとても巧みです。
「ぼく、ずっとまえから ~ してみたかったんだ」が文中にくりかえされます。これはコールテンくんの口ぐせです。「 ~ 」 の中には「やまに のぼって」「ごてんに すんで」「ベッドに ねて」「うちで くらす」がはいります。 最後は「ともだちが ほしいなあって おもって」です。 イメージと意味をせりあげていく漸層法的表現です。
(2015/12/20)