ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 おしいれの ぼうけん 』- やはりこわい ねずみばあさん

034子どもには本当にこわいおはなし。ワクワク、ドキドキの絵本です。
でも、30分では読みきれません。
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さくら保育園には こわいものがふたつあります。
ひとつは 押し入れ
ひとつは ねずみばあさんです。
押し入れは、みずのせんせいが、いうことをきかない子を いれておくところ。ねずみばあさんは、人形劇にでてくる魔女です。
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ある日の 昼寝の時間、
あきらさとしは、あきらのミニカーを取り合いっこのけんかを始めました。
みずの先生は、ふたりを押し入れに入れます。
暗い押し入れの中で、心細くなってきた ふたり。

さとしは、あきらのミニカーを返して、ふたりは仲直りします。
あきらも、ポケットのデゴイチを さとしに貸して、
ミニカーとデゴイチで遊びはじめました。
( これらの小道具が伏線 )
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でも、
そのとき、押し入れの壁の模様が ゆらゆらして、
ねずみばあさんがあらわれます
ヽ(´Д`;)ノ
押入れの向こうにあったのは、ねずみばあさんの世界です。
( もう、すっかりファンタジーの世界に入っています。)
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ねずみばあさんに脅されるふたり。
「手をつなごう」とさとしが呼びかけて、ふたりで逃げだします。
トンネルを抜け、
高速道路、
下水道へと逃げます。
しかし、
とうとう、ねずみばあさんに捕まってしまいました。
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ふたりは、「ごめんなさい」を言いなさいと脅されます。
言わなければ、ねずみにするというのです。
そのとき、
デゴイチとミニカーがあらわれ、
蒸気と煙とライトで、ねずみばあさんたちをけちらします・・・
( そして、幻想的な世界から日常の世界に戻ります )
・・・
ふたりは、押し入れの中でうとうとしていました。
みずの先生がふたりを外にだしました。みずの先生は、押し入れに入れてこらしめるやりかたを反省します。
ふたりは?
押し入れの中のぼうけんをおともだちに話します。

次の日、
みずの先生は子どもたちを押入れに入れることをやめました。そして、押し入れとねずみばあさんは、子どもたちにとって楽しいものに変わりました。
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この絵本を「こわかった」という思いを持って思いだす人が多いのではないでしょうか。ねずみばあさんは田畑精一の絵によって一層怖さをましています。ねずみばあさんが現れる場面、ねずみばあさんから逃げ出すところは、やはりドキドキです。逃げだすシーンから、おはなしにテンポと活劇的な要素がうまれます。おはなしを読むたのしい体験、ハラハラドキドキ手に汗握る体験 が詰まっています。絵本の世界から童話へと進もうとする子どもたちへおすすめの本です。
古田足日さんと田畑精一さんのコンビニよる絵本『ダンプえんちょうやっけた』もありますが、この絵本もブログで紹介しています。
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※『 おしいれの ぼうけん 』 古田足日文、田畑精一絵、童心社 1974年  (2018/10/11)

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