文字のない絵本です。
ひとりぼっちの 少女が、
赤いマーカーが描いた、ファンタジーの世界を冒険します。
そして、友だちを 見つけます。
少女が、
赤いマーカーで 壁に 扉を描きました。
その扉を くぐって、少女はファンタジーの世界へ入ります。
そこは、
ランプがさがった 林のなか。
林に、小さな川が 流れています。
少女は、
川のなかに、
赤いマーカーで ボートを 描きました。
そして、赤いボートに のり、
中世のような 城の町へ つきます。
町を流れる 水路を すすむと、
突然、
水路が なくなり、まっさかさま。
でも、
少女は、
赤いマーカーで 気球を 描き、
空の旅へ。
不思議な形の 空飛ぶ 蒸気船が あらわれます。
兵士たちが、
むらさきの 鳥を 捕まえようとしています。
彼女は、
蒸気船に 乗り込み、
捕らえられた むらさきの 鳥を 放してあげます。
しかし、
兵士に つかまり、
赤いマーカーは、落ちて しまいました。
すると・・・
むらさきの とりが 赤いマーカーを 口に くわえてきました。
少女は、
赤い絨毯を描き、
むらさきの鳥と いっしょに 飛んでいきます。
おおきな ヤシの木のもとに 降り、
その木の とびらを ひらいて、
くぐると・・・
町の中です。
むらさきの鳥を 描いた少年と であいます。
ふたりは、あかと むらさきのまるを 描き、
自転車にして、ふたりは、遊びに 出かけます。
文字のない絵本のストーリーを 文字で書けば、このような内容です。
危機一髪が連続する展開です。アニメーションにしても、おもしろいでしょう。
おはなしのなかに現れる、むらさきの鳥が、少女を導きます。でも、すでに最初のページに、むらさきの鳥とむらさきのマーカーを持った少年がいました。大事なものは、すぐ手に届くところにあったのです。
・・・
※『ジャーニー 女の子とまほうのマーカー』 アーロン・ベッカー作、講談社 2013年 (2023/11/16)