まあちゃんの空想の世界が広がります。
そして、まあちゃんの髪の毛自慢が、笑えます。
・・・
登場人物は、
3人のおんなのこ。
まあちゃんは、短いおかっぱの頭。
お友達のはあちゃんとみいちゃんは、髪の長いおんなのこです。
・・・
はあちゃんと
みいちゃんが、
「せなかが ぜーんぶ かくれるくらい」
髪の毛を伸ばすと言います。
すると、
「あたしなんかね、もっと ずっと のばすんだから」と、
まあちゃんが言い返します、。
・・・
ここから、
まあちゃんの空想が始まります。
長い髪にして、
橋の上から おさげを垂らして、魚をつるの。
おさげをロープにして、牛をつかまれることもできるわ。
髪の毛をまるめて、布団のかわり。
おさげをのばせば、洗濯物を全部ほせるわ。( 下の絵 )
「あらうのが たいへんじゃない?」
「どうやって とかすの」
「へっちゃらよお」
シャンプーをつければ、大きなソフトクリームになるの。
髪は、川の水で洗うわ。
(昆布をながしたような川になると言います)
髪が長くなるころには、いもうとが10人うまれているの。
だから、
10人のいもうとが、せっせと髪を梳かしてくれるわけ。
「ふだんは、じゃまじゃない」
「こまらない?」
「そのときは、パーマにしとくの」
パーマにすると、
あたしの髪は、森になるのよ。
小鳥やりすや虫たちがやってきて、とってもすてきな森になるわ!
はあちゃんと みいちゃんは うっとり いいました。
「ふーん、それって たしかに とってもいい」
・・・
まあちゃんは髪の毛を伸ばして、釣り糸、ロープ、ふとん、物干しざお、小鳥たちの住む森にすると言っています。 想像の場面はカラー、現実の3人の会話はモノクロです。まあちゃんの想像の世界はそれだけ色鮮やかなのです。 確かにまあちゃんの空想ですが、子どもらしい彼女の発想と想像力に脱帽です。また、負けずぎらいなところもありますね。
はあちゃんとみいちゃんが、最後に「それって たしかに とってもいい」と言っていますが、まあちゃんの想像にうっとりしているふたりの姿が微笑ましく、なんとなく好きな言葉です。
・・・
※『 まあちゃんの ながいかみ 』たかどのほうこ作・絵 福音館書店 1995年 (2020/9/18)