
ブルーカンガルーは、リリーの ぬいぐるみです。
いつも いっしょ。
でも、
リリーは 自分の いたずらを、
いつも、ブルーカンガルーの せいに しています。
ある日
リリーは
お人形を 台所の流しで 洗いました
でも、水を だしっぱなしに してしまいました・・・
「だれが だしっぱなしにしたの?」と ママが きくと
「ブルーカンガルーが やったのよ!」
ブルーカンガルーは、
じっと リリーを みつめて、だまっています
ネコに あかちゃんの パンツを はかせて
ネコは おおあばれ
ガッシャ―ン
「リリー!」
「ブルーカンガルーが やったのよ!」
ブルーカンガルーは
じっと リリーを みつめて、だまっています
砂場で おとうとを 泣かせても
たんすの 洋服を 家のそとに ほうりなげても
「ブルーカンガルーが やったのよ!」
ママは、
ブルーカンガルーを 高い本棚のうえに おきました
「ブルーカンガルーなしで ねたこと、ないんだから!」
とリリーが お願いしても・・・
ママは ゆるして くれません。
夜中
ブルーカンガルーは
いいことを おもいつきました
紙と鉛筆を 見つけて なにか かきました
ママの部屋の ドアの したから
紙を 差しいれました。
紙には、
ブルーカンガルーの 絵と
ごめんなさいの文字
「うれしかったわ、リリー。だれが かいたの?」
「ブルーカンガルーが やったのよ」

ブルーカンガルーは にっこりしました。
でも、ブルーカンガルーは なにも いいませんでした。
・・・
ブルーカンガルーは、リリーの友だちであり、彼女の愛着物です。でも、リリーは、自分のいたずらを「ブルーカンガルーが やったのよ」とブルーカンガルーのせいにしています。素直に謝ることができません。ブルーカンガルーは、そんなリリーを見つめて、だまっているだけです。
ブルーカンガルーは、リリーの気持ちを代弁するように ママへ「ごめんなさい」の手紙を書きました。「うれしかったわ、リリー。だれが かいたの?」「ブルーカンガルーが やったのよ」。リリーは、きっと ブルーカンガルーから 相手を思いやる気持ちを学んだことでしょう。ふたりは、これからも仲のよい友だちどうしです。
「ブルーカンガルーが やったのよ!」のリリーの言葉がくりかえされます。ブルーカンガルーに責任を押しつける、すこし怒気をふくんだ言い方です。でも、最後の「ブルーカンガルーが やったのよ」には、感謝の気持ちがふくまれています。同じ言葉でも、場面によって、また誰が言うのかによって、イメージと意味が異なってきます。
・・・
※『ブルーカンガルーがやったのよ!』 エマ・チチェスター・クラーク作 まつかわまゆみ訳、評論社 2003年 (2025/9/29)









