
「あしあとを おいかけよう……」
絵本の冒頭にあるのは、この一文だけです。
あとは、文字のない絵本です。
雪の 積もった朝
おとこのこは 食事をして
赤い長ぐつを はいて 外にでます
雪の上に 足あとが できます
おとこのこと いぬの 足あとです
歩いているおとこのこの姿は、描かれていません
足あとだけです
どこへ行くのでしょうか
途中で、足あとが とまったり
べつの足あとと、出会ったり しています
なにが、起こったのでしょうか
雪のなかを あるきまわって
足あとは、家に はいりました
絵本には、物語を説明する文章がありません。散歩をする子どもの姿も、ページのなかには描かれていません。読者は、雪の上に残された足あとを手がかりに、見えないものを想像していきます。
でも、見返しには、男の子がしたことを描いた小さな絵が並んでいます。着替えたり、馬にえさをあげたり、板を運んだり、木を切ったり …… それぞれの絵は、物語のどの場面にあたるのでしょうか。読者は、見返しの絵と雪の上の足あとを見比べながら、子どもの行動を想像し、出来事をつなぎ合わせていきます。
「あっ、この足あとは、こういうことだったのか!」 そんな発見を重ねながら、読者は、見えない行動を想像し、物語を組み立てていくのです。
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※『みえない さんぽ―このあしあとだれの?』ゲルダ・ミューラー作・絵、評論社、2002年 (2026/10/25)









