ふるはしかずおの絵本ブログ3

『みえない さんぽ』― あしあとから物語をつくる

「あしあとを おいかけよう……」 

絵本の冒頭にあるのは、この一文だけです。

あとは、文字のない絵本です。

 

    

雪の 積もった朝

おとこのこは 食事をして

赤い長ぐつを はいて 外にでます

 

   

雪の上に 足あとが できます

おとこのこと いぬの 足あとです

歩いているおとこのこの姿は、描かれていません

足あとだけです

  

   

どこへ行くのでしょうか

 

 

途中で、足あとが とまったり

べつの足あとと、出会ったり しています

なにが、起こったのでしょうか

   

雪のなかを あるきまわって

足あとは、家に はいりました

 

  

絵本には、物語を説明する文章がありません。散歩をする子どもの姿も、ページのなかには描かれていません。読者は、雪の上に残された足あとを手がかりに、見えないものを想像していきます。

   

    

でも、見返しには、男の子がしたことを描いた小さな絵が並んでいます。着替えたり、馬にえさをあげたり、板を運んだり、木を切ったり …… それぞれの絵は、物語のどの場面にあたるのでしょうか。読者は、見返しの絵と雪の上の足あとを見比べながら、子どもの行動を想像し、出来事をつなぎ合わせていきます。

    

   

「あっ、この足あとは、こういうことだったのか!」 そんな発見を重ねながら、読者は、見えない行動を想像し、物語を組み立てていくのです。

             ・・・

※『みえない さんぽ―このあしあとだれの?』ゲルダ・ミューラー作・絵、評論社、2002年  (2026/10/25)

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