ふるはしかずおの絵本ブログ3

『きらきら』-同じものは二つとしてない

雪の結晶の写真絵本です。写真と詩の「共演」です。

     

   

 きれいだね 

 てんからおちてきた ほしみたい

 きれいだね 

 とってもちいさい ほんとうは

 

 

 きれいだね

 とってもちいさい ほんとうは

 

 たべたいな

 なめたらあまい かな?

 

 ふしぎたね

 みんなそっくり ろっかくけい

  

 

あつめると 雪だるまになり、

雪崩になると おそろしい。

お金でかえない、

指輪にできない、

神様の贈り物。

 

そして、

あっという間に 溶けてしまう、

雪の結晶です。

雪の結晶の写真がうつくしい。

科学映画監督で写真家の吉田六郎(1919-1995)さんは、生涯をかけて雪の結晶の写真を撮りました。雪の結晶の撮影法を確立した吉田さん。雪の結晶の写真は、科学的であり、芸術的です。

 

また、読者にやさしく語りかけるような谷川さんの詩です。

詩は、「てんからおちてきた ほしみたい」から「きらきらかがやく/かみさまのおくりもの 」へと、雪の結晶のイメージと意味をせりあげています。

 

雪の結晶は、無限にかわり、同じものは二つとしてありません。

そこに、自然の神秘と深い意味を感じます。

       ・・・

※『きらきら』谷川俊太郎作・吉田六郎 写真 アリス館  2008年  (2023/2/20)

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