ふるはしかずおの絵本ブログ3

『かえるの竹取ものがたり』- 古典文学が身近になる

古典文学『竹取物語』の絵本。

タイトルのとおり、登場人物は かえるです!

   

    

むかし むかし 

ある ところに

竹取のおじいさんと おばあさんが いました

     

     

ある日

おじいさんは 山で 光る竹を 見つけました

ちいさな おんなの子が 竹のなかに はいっています

    

ふたりが 

その子を たいせつに 育てはじめると

おじいさんは 黄金のつまった 竹をなんども 見つけ

お金持ちに なりました

   

  

おんなの子は 

百日で 光輝く むすめに なりました

「なよたけのかぐや姫」とよばれました

  

うつくしい かぐや姫の評判を きいて

くらもちの皇子

おおともの大納言

いそのかみの中納言が 

結婚を 申し込みます。

  

   

姫は 三にんに 難題を あたえました

くらもちの皇子には  ほうらい山の「玉の枝」

おおともの大納言には 龍の首の「五色の玉」

いそのかみの中納言は つばめの巣にかくされた「子安貝」

  

三にんは 姫からあたえられた課題に こたえることが できませんでした

  

    

ある晩のこと

かぐや姫は かなしそうな顔を しています

    

    

 「わたしは、月の世界のものです・・・

  八月十五日、満月の夜に 迎えのものがきます

   

   

みかどは 

姫を まもるために 

二千の兵士を おじいさんの屋敷に おくります

   

    

その夜

あたりは ひるまのように あかるくなりました

月からの 使者たちが やって きました

みんな 宙に ういています

    

    

かぐや姫は みなに おわかれを いい

迎えの車に のり

月へと かえっていきました

   

           

『竹取物語』は、9世紀後半から10世紀前半(平安時代前期)に成立したと言われる日本最古の物語のひとつです。作者は不明です。やさしい文章と人物をかえるにしたことで、『竹取物語』が子どもに身近かなおはなしになりました。

     

あらすじでは、三人の求婚者たちの話は省略しましたが、ここがおもしろいところで、絵本ではこの三人の場面に、25枚の絵の12枚をあてています。三人は、ずる賢かったり、権力的であったり、こっけいであったりします。するどい人間観察が見られます。

   

つばめの子安貝をもとめられた、いそのかみの中納言は、病気になってしまいました。かぐや姫と中納言との和歌は

、「かい」「すくう」を掛詞のようにして、俵さんはこのように表現されています。

 

  「ながらくの ごぶさたですが 貝もなく 待つかいもなく 案じています」

  「がんばったかいはあります この命 どうかすくってくださらないか」

    

『竹取物語』の最後にある、「不死の山」(富士山)のいわれも盛り込まれています。

      

           ・・・

※『かえるの竹取ものがたり』 俵万智文、斎藤隆夫絵、福音館書店 2014年  (2025/11/21)

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