ふるはしかずおの絵本ブログ3

『うちが いっけん あったとさ』- 踊りたくなるようなリズミカルな文章

ぼくの空想の世界が、リズミカルなことばで 展開します。

  

 ちん とん しゃん

 うちが いっけん あったとさ

 ぼくだけ しってる うちなのさ。

 

   

すてきな ベッド

すてきな たな

いすも テーブルも すてき。

かめに うさぎに おおおとこ しんだねずみも ご招待。

    

   

 ひみつごっこ

 にわとりごっこ

 オペラごっこ

 おつむ てんてん つるてん つるてん つるてんしゃん

    

   

おかしの こなを まきちらし

ライオンじいさん いびきを かいて ぐうふう ぐうふう ぐうぐうふうふう

さるは そろって さるおどり

うさぎは ドアを かじってさ

    

    

 みんな 声を かぎりに 

 もっとやれ もっとやれ

 もっとやれ もっとやれ

 もっとやれ もっとやれ

  -てれつく てんてん

 もっとやれ もっとやれ

 もっとやれ もっとやれ

  

    

 うちが いっけん あったとさ

 りすの うちでは ありません

 ろばの うちでも ありません

 やまの うえにも ありません

 たにの したにも ありません

 あなの なかにも ありません・・・

 ぼくの あたまの なかの まんなか。

   

 てれつく てんてん すててん てん

 

       ・・・

空想の世界に踊りながら入っていく「ぼく」。いろいろなポーズを決める「ぼく」。表情豊かな「ぼく」。さいごは、振り向いて笑っている、いたずらっ子の「ぼく」です。

   

できるだけ、文章をいかして伝えようと試みましたが、リズミカル文章を味わうには、やはり原文をご覧ください。躍動的な言葉ですので、身体がうごいてきます。

センダックの絵は、「ぼく」が描いた落書きのような雰囲気があります。

       ・・・

※『うちがいっけんあったとさ』 モーリス・センダック絵、渡辺茂男訳、岩波書店 1978年  (2024/6/22)

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