・『赤ちゃんのはなし』 マリー・ホール・エッツ作、坪井郁美訳、福音館書店
受精から胎児の成長、赤ちゃんの誕生を描いたエッツの絵本。
・『あげは』 小林勇文・絵、福音館書店
あげはちょうの卵から、幼虫の成長、さなぎ、あげはの誕生を説明。また、鳥、蜘蛛、かまきりに食べられてしまうことも。『みつばち』『かぶとむし』『こおろぎ』も小林勇作(福音館書店)。
・『あそぶ-にほんざるのくらし』 水原洋城文、木村しゅうじ絵、福音館書店
にほんざるのこどもたちの様々な遊び。「あそびながら、むれのくらしかたをまなんで」いくのです。最後の画面でおかあさんざるが毛づくろいをしてあげています。
・『あなたのいえ わたしのいえ』 加古里子ぶん・え 福音館書店
家とはなんでしょうか。「いえは、くらしのどうぐ」という家の本質についてやさしく教えてくれる絵本です。
・『あなたのはな』 ポール・シャワーズ文、ポール・ガルドーン絵、松田道郎訳、福音館書店
鼻のはたらき(機能)を、教える、守る、手伝うという観点からやさしく説明しています。対象に働きかけ隠された真理を明らかにするところや説明の仕方は小学生に学んで欲しいところです
・『あまいみずからいみず』 かこさとし文。、和歌山静子絵、童心社
溶解や濃縮という化学の現象を砂糖水や塩水でやさしくおしえます。また、ちいさなコップにつくった塩水でわかったことがらを、大きな自然現象にまでひろげて考えていきます。
・『あめとひょう』 フランクリン・ブランリー文、ヘレン・ボーテン絵、川西伸男訳 福音館書店
雨はどのようにして降るのでしょうか? 水蒸気から雲ができ、雲から雨やひょうが降ることが順序よく説明されています。
・『アリから みると』 桑原隆一文、栗林慧写真、福音館書店
アリになる体験です。視点を変えると見える世界がちがってきます。それは驚きの連続。 ありって、ほんとうにちいさいんです。
・『あるくやまうごくやま』〈山〉 かこさとし文、宮下 森・絵、童心社
山が一瞬の休みなく動いていることを、百年千年の時間のなかで示します。「条件や環境をかえると、ものごとは新しい違った結果になる」(かこ・さとし)のです。
・『 あんな雪 こんな氷 』 高橋喜平 文・写真 講談社 1994年
冷たい雪と氷の 写真絵本ですが、作者の熱い思いが いっぱいです。また、雪と氷に関する すてきな日本語にも出合います。
・『 いきている ひかり 』モリー・バング、ペニー・チザム作、さくま ゆみこ訳、評論社
光合成の仕組みがよくわかります。「いきているひかり」とは太陽のこと。動植物のなかをかけめぐる光のエネルギー。『わたしの ひかり』の姉妹編で、小学校中高学年向きの絵本です。
・『いしの はなし』ダイアナ・アストン文、シルビア・ロング絵、千葉茂樹訳 ほるぷ出版 2013年
石の世界は、46億年の地球の歴史がぎゅっとつまった小宇宙。石は、動物にも人間にも役に立ちます。うつくしい芸術作品にもなります。そして、何億年もかけて「いしは なんども かたちを かえる」。『たまごの はなし』(2007年)、『たねの はなし』(2008年)、『チョウの はなし』(2013年)、『巣の はなし』(2015年)もあります。
・『いっぽんの鉛筆のむこうに』 谷川俊太郎文、坂井信彦ほか写真、堀内誠一絵、福音館書店
いっぽんの鉛筆を通して知る世界との繋がり。 このことは鉛筆だけに限りません。
・『うごかしてあそぼう おりがみのほん』 笠原邦彦企画・作画、 織茂恭子絵・文、福音館書店
おりがみでつくる遊び。ひこうき、ぼうえんきょう、ぴょんぴょんがえる、ウィンドサーフィン、わんわんわんちゃんなどの作り方を紹介。
・『海』 加古里子文・絵 福音館書店
海をさまざまに紹介した絵本。たくさんの生物やものごとが書き込まれていますから、興味をひくものがいっぱいです。『地球-その中をさぐろう』『宇宙-そのひろがりをしろう』(福音館書店)もかこさんの絵本。
・『うんちレストラン』 新開 孝写真 伊地知 英信文 ポプラ社 2006年
うんちを食べる 虫たちの世界です。迫力あるうんちの写真にびっくり! 比喩を用いたユーモアあふれる文章(表現方法)で、生物の多様性と自然の循環(認識内容)を学びます。うんちを食べたり、そこに卵をうむ虫もいるんです。
・『大きな大きなせかい-ヒトから惑星、銀河宇宙まで』『小さな小さなせかい-ヒトから原子、クォーク、量子宇宙まで』かこさとし(ともに偕成社)
小学校高学年向き。目に見えない大きな世界、小さな世界が描かれます。わたしたちの知らないことがたくさん出てきますので、大人が読んでもたのしい絵本です。
・『おしっこの研究』 柳生弦一郎作、福音館書店
おしっこの研究をユーモアいっぱいに伝えます。この絵本から人間の体はずいぶん合理的で精巧にできているものだと感心します。
・『おなら』 長新太作、福音館書店
おならのことをユーモアたっぷりに描いた絵本。さいごのページは「さようおなら」で終わります。
・『かぶとむしは どこ?』 松岡逹英作、福音館書店
かぶとむしの成長と生態を描いた絵本。虫の好きなこどもにおすすめです。
・『かみコップでつくろう』 よしだきみまろ作、福音館書店
かみコップの工作。用意するもの、はさみ、カッター、ねんど、えんぴつ。おすわりたこさん、ほえるわんくん、UFO、かみつきかめさん、だるまさんなど、かみコップの変身が楽しい絵本です。
・『かみであそぼう-きる・おる』 こすぎけいこ作、福音館書店
こどもたちの遊びにも応用できる絵本。切って折っての紙の大変身です。
・『かみひこうき』 小林実文、林明子絵、福音館書店
いろいろな形の紙飛行機。どのような飛び方をするのでしょうか。こどもたちと一緒に紙飛行機をつくって実験してみてください。
・『かわ』 かこさとし作、福音館書店
川と川の周辺との関連をきっちりと描きこんだ絵本です。絵本の絵をみますとさまざまな発見があるはずです。後の『海』『宇宙』『地球』もこの手法でつくられました。
・『かわいいあかちゃん』 かこさとし文、富永秀夫絵、童心社
めだか、かえる、かめ、にわとり、いぬのあかちゃん、にんげんのあかちゃんの「にているところ」(類比)、「ちがうところ」(対比)はどこでしょう? 生命の尊さ、かけがえのなさがわかります。
・『きもち』 谷川俊太郎文、長新太絵、福音館書店
きもちは、見えない心のなかのこと。やさしい、おこる、はずかしい、おそろしい気持ち。「こどももおとなもきもちはおなじ。でも、じぶんのきもちとひとのきもちはちがう。ひとが、どんなきもちか、かんがえてみよう」と谷川さんは訴えます。
・『くだもの』 平山和子作、福音館書店
すいか、もも、ぶどう、なし、りんご、くり、かき、みかん、いちご、ばななはまるで本物のようです。幼児がはじめて出会う絵本として最適なものです。
・『こいぬがうまれるよ』 ジョアンナ・コール文、ジェローム・ウェクスラー写真、つぼいいくみ訳、福音館書店
こいぬの誕生からわたしのいぬになるまでを、「わたし」の視点から語ります。こいぬの誕生のシーンはとても感動的です。こどもたちに出会わせたい絵本です。
・『このよで いちばん はやいのは』 ロバート・フローマン作、天野祐吉翻案、あべ 弘士絵 福音館書店 2011年
速いってなんでしょう。カメよりはやいウサギ。ウサギ、イヌ、ウマ・・・音、地球の自転、人工衛星、地球が太陽のまわりをまわる速さ、光。光よりも人間の想像力。漸層法的なくりかえしで、想像力の重要性にむけて読者を導きます。
・『ごむのじっけん』 加古里子さく、福音館書店
ごむのくせ(性質)を四つにわけてやさしく説明しています。ごむはわたしたちの生活にかくことのできないものであることがわかります。
・『 これが ほんとの 大きさ ! 』 スティーブ・ジェンキンス作・絵、佐藤見果夢訳 評論社 2008年
絵本のどうぶつたちは、みんな本物と同じサイズ です。ダイオウイカの目玉は、なんと直径30cm。世界一小さい魚は、ドワーフ・ゴビー。8mm! アラスカヒグマ、ダチョウ、オオアリクイ、ゴライアス・バードイーター・タランチュラ、イリエワニ、ゴライアス ガエルなどが出てきます。
・『 こんなしっぽで なにするの? 』 スティーブ・ジェンキンズ & ロビン・ペイジ作・絵、佐藤見果夢訳 評論社 2007年
はじめのページは、どうぶつの一部分を紹介します。ページをめくると、その部分の役割、意外な生態、行動の説明です。その部分とは ? 鼻、耳、しっぽ、目、足、口。食べるため、身を守るためにみんな大切な働きをしています。
・『 雑草の くらし 』 甲斐 信枝 作 福音館書店 1985年
サブタイトルは、「あき地の五年間」。雑草の観察記録です。雑草たちの生命力、雑草たちの5年間の栄枯盛衰が描かれています。
・『 しずくの ぼうけん 』 マリア・テルリコフスカ作 ボフダン・ブテンコ絵 うちだりさこ訳 福音館書店 1969年
水の循環をおはなし仕立てにしたポーランドの絵本です。液体、気体、固体と変化する水( 三態 )。かがくの絵本に分類されますが、表情ゆたかなしずくのユーモラスな行動です。状況に流されているようでもあり、主体的に行動しているようでもあるしずく。しずくの冒険のおはなしです。
・『しっぽのはたらき』 薮内正幸作、福音館書店
さる、犬、牛、きつね、いるかなどの「しっぽ」の大切な働きが書かれています。餌をとる、自分を守るという観点からの考察です。
・『じめんのうえとじめんのした』 アーマ・E・ウェーバー文・絵、藤枝澪子訳、福音館書店
子どもの身近かな植物と動物を例にして、地面の上と下を対比的に考察しています。論の進め方も参考になります。『たねのりょこう』もウェーバー作。
・『しゃぼんだまとあそぼう』 杉山弘之、杉山輝行文と構成、吉村則人写真、平野恵理子絵、福音館書店
題名のとおり、シャボン玉遊びの絵本。こどもたちに楽しい遊びの材料を提供します。
『戦国時代の村の生活―和泉国いりやまだ村の一年』 勝俣鎮夫 文, 宮下実 絵 岩波書店
戦国時代(1467-1568)、和泉国 日根野荘・入山田村の ひとびとの生活を1年間、百姓の少年(ぼく)の目をとおして絵日記の形式で描きました。中世日本の研究者、勝俣鎮夫(1934-)さんと画家の宮下実(1939-2010)さんの労作です。
・『たいよう』 フランクリン・M・ブランリー文、ヘレン・ボーデン絵、林親仙訳、福音館書店
太陽とは何か、また太陽とわたしたちの生活や生態系との関係を伝えます。作者の論の運び方に感心しました。
・『高い音ひくい音』 フランクリン・ブランリー文、ポール・ガルドーン絵、松田道郎訳、福音館書店
音が聞こえるのは空気の振動であることを身近な題材と実験で教えてくれます。また、その音がどうしてわたしたちに聞こえるのかを語ります。
・『たけ-もうそうだけのおやこ』 甲斐信枝作、八木沼健夫監修、福音館書店
たけのこから竹になるまでを、おやだけとの関係において描きます。竹の地下茎の画面に迫力があり、生命力を感じます。
・『たねからめがでて』<植物> かこさとし文、 若山 憲・絵、童心社
たんぽぽ、米、すいか、かきが、種から芽を出し葉をつけ、実り、そしてまた種がうまれます。みんな「タネが育って大きくなる」仲間なのです。
・『たねのはなし』 ダイアナ・アストン文、シルビア・ロング絵、千葉茂樹訳、ほるぷ出版
副題は「かしこくて おしゃれで ふしぎな、ちいさないのち」。被子植物、子房、裸子植物、球果、種皮、胚など専門用語が並んでいます。子どもには、むずかしい絵本のようですが、たねの特徴について、擬人法とおおきな活字でやさしく説明します。イラストの美しい絵本ですので、絵を見るだけでも楽しい絵本です。
・『たんぽぽ』 平山和子作、北村四郎監修、福音館書店
たんぽぽの絵本の傑作。たんぽぽの根を描いた画面、わたげを風にのって飛ぶ画面がすばらしい。『たんぽぽ』甲斐信枝作(金の星社)、『タンポポ』平野隆久(岩崎書店)、『タンポポ』七尾純(偕成社)、『タンポポ』バーリィ・ワッツ文・写真、舟木秋子訳(評論社)もあります。
・『ちえのあつまりくふうのちから』 かこさとし文、滝平二郎絵、童心社
道具を使う人間の歴史。木の棒、石器、動物の骨、土器、銅器、鉄器へと続く道具の歴史。また、道具と人間のくらしかたとの関連が絵に表現されています。『どうぐ』(福音館書店)も加古里子さんの作。
・『つきのせかい』 フランクリン・ブランリー文、ブラディミール・ボブリ絵、山田大介訳、福音館書店
月の世界をこどもたちに分かりやすく説明します。月の上を歩いているような気分になれる文章です。
・『ドードー であえたはずのどうぶつたち』 倉科昌高 作・絵、ピエ・ブックス 2004年
「いま/せかいの どこを/さがしてみても/ちきゅうを ひっくりかえして/さがしてみても いないんだ/であえたはずの どうぶつたち」。絶滅したどぶつたちの絵本です。
・『 どこにいるの? シャクトリムシ 』 新開孝 写真・文 ポプラ社 2007年
シャクトリムシの擬態がみごとです。それは身を守るシャクトリムシの生き方です。シャクトリムシは、脱皮して、さなぎになり、シャクガという蛾になります。
・『なぞなぞすなあそび』 きうちかつ作、梅田正明写真、月刊「かがくのとも」364号 福音館書店
砂をほったり、砂の山をけずったり、砂をつめたりして遊びます。テーブルといす、ケーキ、コリントゲーム、トンネル、火山の出来上がり。こどもを砂遊びに誘います。
・『なんだかぼくにはわかったぞ』〈材質〉 かこさとし文、やべみつのり・絵、童心社
木、石、鉄、プラスチックの性質を実験(水に入れるなど)しながら整理します。分析・総合の科学的なものの見方・考え方が背景にあります。
・『なんにかわるかな?』 パット・ハッチンス作、ほるぷ出版
積み木遊びの絵本です。文字がありませんが、積み木の絵にドラマがあって子どもたちの想像を広げます。遊びに応用できるでしょう。
・『ねっこ』 平山和子作、福音館書店
目に見えない地面の下の世界をこどもたちにみせてくれる絵本。根は見えないところで大事な働きをしているのです。まど・みちおさんの「ね」という詩の世界にも通じています。
・『はははのはなし』 加古里子ぶん・え、福音館書店
じょうぶな歯をつくるには、歯みがきだけでなく食事や体や運動も大切。ここにかこさんのものの見方が出ています。『むし歯のもんだい』(北川健、柳生弦一郎作 福音館書店)もおすすめ。
・『ひかりとかげのかけくらべ』 かこさとし文、田畑精一絵、童心社
ひかりと音の速さが、ジェット機、ロケットと比べられてよく分かります。「比べるということは、差をみつけるとともに、同一性を見落とさないという重要な科学の基本である」( 加古里子 )
・『ぴかっごろごろ』 フランクリン・ブランリー文、エド・エンバリー絵、山田大介訳、福音館書店
雷がどうして鳴るのか、また雷がきたらどうしたらよいのかを説明しています。雷のものすごい音は、稲妻につきとばされた空気が、その前にでた音にぶつかって出てくることがわかりました。
・『ひやしんす』 平山和子作、浅山英一監修、福音館書店
ひやしんすの球根から、根がのび、芽がでて、花がさき、実がみのり、そして、球根をふとらせるまでの成長のプロセスが見事な絵と文章で表現されています。
・『ひょうざん』 ローマ・ガンス文、ブラディミール・ボブリ絵、正村貞治訳、福音館書店
氷山は雪が氷河になり、それが海へおしだされていった氷の山です。渡り鳥たちは水を飲みに氷山に降りてきます。水でできているからです。
・『ファーブル昆虫記の虫たち(1)』 熊田 千佳慕作・絵 小学館 1998年
『ファーブル昆虫記の虫たち』は全5巻。熊田千佳慕さんのライフワークです。昆虫記であり、昆虫誌、昆虫詩です。「私は 虫・虫は 私/自然は 愛するから 美しいのだ」( 熊田千佳慕 )
『ふしぎなえ』 安野 光雅作・絵、福音館書店
「マッハの本」「メビウスの帯」「ネッカーの立方体」「シュレーダーの階段」「ぺンローズの三角形」の原理を使った錯視の世界です。ひとつの絵が解釈の仕方でちがって見えるところに深い意味を感じます。年齢に関係なく楽しめる絵本です。
・『ふゆめ がっしょうだん』 長新太文、冨成忠夫、茂木透写真、福音館書店
24種類の冬の木の芽を、写真で紹介した絵本。冬の木の芽はうさぎやコアラの顔のようにみえます。また、だれかの顔にも似ていてユーモラスな絵本です。みんな春を待っています。
・『 ペンギンの ヒナ 』 ベティ・テイサム作 ヘレン. K. デイヴィー絵 はんざわのりこ訳 福音館書店 2008年
コウテイペンギンの子育てを 描いた絵本です。氷の上で、交代でたまごを温め、ヒナを育てる コウテイペンギンの夫婦。まわりは冷たく過酷な環境なのに、ペンギンの子育てに心温かいものを感じます。また、その知恵(自然の不思議)に 驚きます。
・『ぼくからみると』 高木仁三郎文、片山健絵、福音館書店
夏休みの昼すぎのひょうたん池。さかなやとんびなど様々な視点から池が描かれます。同じ池も見るものによって異なることを教えてくれます。現代的な認識論が背景にあるようです。
・『ぼくのいまいるところ』 かこさとし文、太田大輔絵、童心社
ぼくのいまいるのはここ。ここから始まって、にわ、うち、まち、おおきなまち、富士山の見えるところ、にっぽん、地球、宇宙、太陽系、銀河系、大宇宙へと広がって行きます。「わたしたちは無限という宇宙空間と時間の流れの中にいきている」(かこさとし)のです。
・『ぼくはたね-たびするたねのはなし』 甲斐信枝作、森田竜義監修、福音館書店
とげをつかって動物にくっついて旅をするたね、水にうかんで移動するたね、鳥にたべられて運ばれるたね、種をふやす植物の巧みな戦略です。
・『 ホネホネ たんけんたい 』 西澤真樹子監修・解説、 大西成明写真、 松田素子文、 アリス館 2008年
「ホネには ちゃんと わけがある。どんなに 小さくても はたらいている」と語っています。絵本のテーマですが、わけ(理由)とはたらき(機能)は、ものの見方・認識の方法でもあります。姉妹編に『ホネホネどうぶつえん』(アリス館 2009年)『ホネホネすいぞくかん』(アリス館 2010年)があります。
・『まほうのコップ』 藤田千枝原案、 川島敏生写真、 長谷川摂子文、 福音館書店
身近にある不思議な世界。魔法のコップ。水をいれたコップの うしろに、いちごを置いてみます。いちごが ぐんにゃり つぶれちゃった! しめじをコップの うしろにおくと、あっ、がまがえる。驚きと発見-これが大切です。驚きとちいさな発見はかがくの第一歩です。
・『まめ』 平山和子作、福音館書店
いろいろなまめ。さやにつつまれたまめ。また、まめから根がのび芽がでてきます。まめは「めをだすよういをして やすんでいるたね」なのです。
・『ミクロの世界』 田中敬一文・写真、福音館書店
目には見えないミクロの世界を顕微鏡や電子顕微鏡で見てみると・・・、イカの吸盤、木綿の糸と針、蚊の顔など驚きの写真がつづきます。ものの見方を広げます。
・『みんなうんち』 五味太郎作、福音館書店
動物たちのうんちをする姿を通した生命賛歌です。「いきものはたべる(生きている)から、みんなうんちをする」のです。
・『むしばミュータンスのぼうけん』 かこさとし作、童心社
虫歯の原因ミュータンスが語り手のおもしろい絵本です。逆説的な言い方のなかに虫歯予防をうったえます。かがくの絵でもあり、おはなしの絵本でもあります。
・『もうどうけんドリーナ』 土田ヒロミ作、日紫喜均三監修、福音館書店
こいぬから盲導犬ドリーナになるまでの訓練と目の不自由なましまさんとドリーナの生活が描かれています。こどもたちの生活経験の世界をひろげます。
・『もっと はやいものは-スピードのはなし』 ロバート・フローマン文、アーノルド・スピルカ絵、大平雅章訳、福音館書店
かたつむり、かめ、あかちゃんの歩く速度からロケット、地球の公転、光の速さまでを紹介。身近な動くものから「速度」への関心へとたかめます。大人が読んでもおもしろい科学絵本。光より速いものは? 人間の想像力!
・『森のちいさなアーティスト』 今森光彦文・写真、福音館書店
動物の擬態がテーマの写真絵本。カレハバッタ、コノハムシの擬態が見事です。擬態は身を守るだけでなく餌をとるのにも役立ちます。
・『やさいで ぺったん』 よしだきみまろ作、福音館書店
たまねぎ、にんじん、じゃがいも、セロリ、ピーマン、パイナップルのきれはしを使って、ぺったんぺったん。そして、すばらしい絵のできあがりです。こどもたちの遊びに応用できるおすすめの絵本です。
・『夢の江戸歌舞伎』 服部幸雄 文、一ノ関圭 絵、岩波書店
修業中の「おいら」が見た文化文政期の江戸の芝居小屋(中村座)の世界です。細密な絵で江戸歌舞伎の世界がしっかりと再現されています。巻末の解説が充実しています。
・『 よこにきった まるいごちそう 』 かこさとし文、岡本武紫絵、童心社
身近なもののなかにある丸い形、横に切ると丸い形をしたものがこんなにもたくさんあります。みなさんもさがしてみて下さい。
・『 よもぎだんご 』 さとうわきこ作、福音館書店
ばばばあちゃんとよもぎだんごを作ります。よもぎ、なずな、よめな、いたどり、つくし、せりなど野の草も食べられることが子どもたちの目をひろげることでしょう。
・『ライフタイム いきものたちの一生と数字』 ローラ M.シェーファー文、 クリストファー・サイラス・ニール絵 福岡 伸一訳 ポプラ社 2015年 絵本の中には、びっくり、ヘー の 数字が ならんでいます。ユニークな数字の絵本、かがくの絵本です。たとえば200。200は、キリンの網目もようの数です。クモ、1 トナカイ、10 アルパカ、20は何でしょう。
・『 リボンのかたちの ふゆのせいざ オリオン 』 矢板康麿写真と文、杉浦範茂絵と構成 福音館書店
オリオン星座をリボンの形にしてみせてくれます。オリオンはほかにどんな形にみえるでしょうか。日本では、平家星と源氏星、升星、からすき、さかます、よこぜきとも呼ばれています。
・『 わたし 』 谷川俊太郎、長新太絵、福音館書店
「わたし」はいろいろな名前で呼ばれます。いもうと、おねえちゃん、むすめ、まご、せいと、にんげん、にほんじん、もでる、おきゃくさん。さて、本物の「わたし」とは一体だれなのでしょう。哲学的な話に通じます。
・『 わたしのひかり』 モリー・バング作・絵、さくまゆみこ訳、評論社
地球の自然の動き、活動の根源に太陽エネルギーがあります。「わたし」とは太陽です。風力発電も太陽が関係していることに驚きます。詳しい解説が巻末にあり、小学生中高学年向きのかがくの絵本です。