ふるはしかずおの絵本ブログ3

『こいぬのうんち』-うんちのおはなし?

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今回の絵本は、 韓国の 『こいぬの うんち』 。

「うんち」の 絵本ですが、とてもすてきなおはなしです。

      ・・・

こいぬが残した 小さなうんち。

「 うんち!  きったねえ 」。

ぼくは うんちだって?  ぼくは きたないん だって?

泣きだしたうんちを見て、土くれが笑いました。

「 うんちを うんちといわないで、なんというんだよ 」・・・

      ・・・

誰の役にも立たない、

つまらない存在と思っていた うんち。

しかし、たんぽぽと出会いました。

たんぽぽは言います。

きれいな花を咲かせるのには、あなたにこやしになって ほしいの、

私のちからになって と。 

こいぬのうんちは

うれしくて うれしくて 

たんぽぽのめを ぎゅっと抱きしめました。

      ・・・

雨にうたれ、こやしになった こいぬのうんちは、

たんぽぽの茎をのぼり …

そして、

たんぽぽは、つぼみをつけたのでした。

春のある日、きれいに咲いた たんぽぽ。

 

 やさしくほほえむ たんぽぽのはなには、 

    こいぬの うんちの あい が   

    いっぱい いっぱい つまっていました。

 

1969年、キリスト教児童文学賞を受賞した童話からうまれた絵本です。この絵本を読んで、聖書のことばを思いだしました。

 

 一粒の 麦、もし地に落ちて 死なずば、  

 ただ一つにて あらん。  

 死なば  多くの実を結ぶべ し。   『 ヨハネ伝 』 第12章 24節

 

うんちは、こやしとなり、たんぽぽの花を咲かせる助けとなったのでした。支えあうふたり。愛にもとづく行為には、むだがありません。

「 うんち 」を題材とするおはなしにとって大切なことは、

どのようなテーマなのか、

どのような 考えで書かれているのか、

そして、表現のユーモア であるように思います。

      ・・・

※ 『 こいぬのうんち 』  クオン・ジョンセン文、 チョン・スンガク絵、 ピョン・キジャ訳、 平凡社   2000年  (2013/12/5)

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