ライオンの すがたを
かりた 人間の おはなし。
( おはなしって、みんな そうですけど。 )
・・・
ウォー。
ライオンは、
いさましく ほえると、
地面を けって
空を
かけのぼり、とびあがって、
えものを とりに いきます。
そして、
しんせきの
ねこたちに、ごちそうを するのです。
ほうっ、
さすが ライオンだ
と ねこたち。
ねこたちは、まいにち やってきます。
ある日、
ライオンは、つかれはて、
きょうは ひるねが したいんだ
でも、
ねこは、わらい ころげます。
しかたなく、
ライオンも、
あ は は は ・・・・
( 悲しい 笑い。 )
その 夜、
ライオン は、つかれたと いって、
さめざめと なきました。
( 悲しい ところですが、おかしい )
ライオン は、たおれ、
きんいろの いしに なってしまいます。
何百年後 も
ライオン は、
きんいろの いしのまま。
そのとき、
「 これは なに ? 」
「 どうして ねて いるの ? 」 の 声。
それを
きくと、
きんいろの いしの ライオンは、
ぶるぶるっと みぶるいし、
ウォー と ほえ、
じめんを けって、
空に かけあがって いくのです。
期待に こたえようとして、がんばりすぎる ライオン。
よわみを みせられない
ライオン( 人間 )。
( 悲喜劇ですね。 )
その結果、
くるしい 立場に。
気の毒ですが、おかしい。
わたしたちも、
このライオンと
同じようなことを しているのかもしれません。
※『 空とぶ ライオン 』 佐野洋子 作・絵、 講談社 1993年
佐野洋子さんの絵本は、以前このブログで、『 おじさんの かさ 』( 講談社 )を紹介しました。 また、『 百万回 生きた ねこ 』( 講談社 )もすてきな作品です。
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