ふるはしかずおの絵本ブログ3

『うさぎのおうち』-見せたい絵本、聞かせたい絵本です

1
ほんとうに、うつくしい絵本です。
文章も絵も。
おはなしは、こうさぎの家さがしです。
   ・・・
はる はる はる
と歌うのは、
こまどり、
かえる、
グランドホッグ。
     
 えだが めぶき 
 はなが ひらき
 ひなが かえる
 そんな はるに

     
こうさぎが じぶんの家を さがしに出かけます。
独りだちをする日が、来たのです。
かけてく、
かけてく、
家さがし。
岩のかげ、石のした、幹のうろ、土のあな。
2
こまどりに 聞きます。
こまどりさんの うちはどこ?
ここですよ この とりのすが わたしのおうち

うさぎが のったら おこっちそう。
ほかをさがしに いってみよう。
     ・・・
かえるさんの うちはどこ?
ぬまちの しめった どろの なか
うさぎだったら、しずみそう。
     ・・・
グランドホッグの うちは、
木のうろ。
でも、いれてもらえません。
うさぎに ぴったりの家は、なかなか見つかりません。
かけてく、
かけてく、
家さがし。
岩のかげ、石のした、幹のうろ、土のあな。
     ・・・
白いうさぎに であいました。
3
あなたの うちは どこですか?
いわかげの いしを くぐった あなの なか
はいっていい?
ええ

      ・・・
春のあたたかさ、春のにおい、春のよろこび。そして、こころ温まるラスト。春のイメージに彩られた世界です。マーガレット・ワイズ・ブラウン(1910~1952)の文章は、歌いたくなるようです。ガース・ウィリアムズ(1912~1996)の絵も美しい。繊細なタッチで、擬人化されたどうぶつたちを描いています。また、草花、蝶、鳥までしっかりと描かれています。文章のイメージを補足し、発展させています。松井るり子さんの訳も、リズムや韻など素晴らしいと思いました。
みんな、いい仕事してますね
4
※『うさぎのおうち』 マーガレット・ワイズ・ブラウン作、ガース・ウィリアムズ絵、 松井るり子訳、 ほるぷ出版、 2004年 ( 原作は1956年 ) (2016/6/1)

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