トピアリー(樹木を刈り込んで作った造形物)にうつしだされた、おじいちゃんの人生を ひ孫のぼくが語ります。
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ずっと ずっと昔に、
うまれた おじいちゃん。
おじいちゃんは、農場でそだった 。ぶた、とおもろこし、にんじん、にわとりといっしょに・・・
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高校をでると、
園芸の仕事に つきたかったけれど、
戦争に 行くことに。
( 絵から想像すると )
パリのカフェで、未来のおくさんに出会い、結婚します。
けんかなんか、ひとつもしなかった・・・?
子どもができて、たくさんの孫、ひ孫ができました。
ひ孫のひとりが、ぼく。
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おじいちゃんは、
トピアリー作りの 名人。
いまは、年をとり、ときどき、いろんなことをわすれます。
でも、だいじようぶ。
庭が、ぜんぶ、おぼえているから。
ひ孫のぼくが、トピアリーの庭を歩きながら、おじいちゃんの人生を語りました。おじいちゃんへのぼくの思いが、トピアリーとそれを見ているぼくの姿の中に詰まっています。「グランパ・グリーンの庭」の題名も おはなしにぴったりで象徴的です。
たくさんのトピアリーが出てきます。ぞう、あかちゃん、うさぎ、にわとり、オズの魔法使い、きかんしゃ、ひこうき、ぶた・・・読者は、トピアリーの絵を見る楽しみもあります。心あたたまる絵本、絵をじっくり味わいたい絵本です。
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※『 グランパ・グリーンの庭 』 レイン・スミス作、青山 南訳、BL出版 2012年
【 追 記 】
トピアリーの画像検索をして多くの作品を見ることができました。トピアリーの世界も奥深いものです。「ヨーロッパにおけるトピアリーの歴史は、古代ローマ時代までさかのぼり、大プリニウスの『博物誌』の中に記述を見ることができる。」(ウィキペディア) (2017/4/11)