「死」がテーマの絵本てす。
死の真実を絵本で子どもに語るのは少し早いのではという意見があることでしょう。わたしもそのように考えますが、ブログを読んでくださっているみなさんに向けて紹介したいと思います。
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死を
迎える ひと
見守る ひと
送る ひと
ひとりひとりの心を風船にえがいた顔で表現しています。
親しいひとの死にどのように向き合えばよいかを、やさしく語りかけます。
そして、
愛するひとたちが、
そばにいること
見守ることの
たいせつさがわかる絵本です。
最後のページに子どもたちへのメッセージがあります。
たすけるには、
・ともだちでありつづける。
・びょうきの ともだちを ほかのともだちと くべつしない。
・ともだちが がっこうを けっせきしたり
にゅういんしたり したとき れんらくをたやさないこと。
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子どもに向けたこれらのメッセージは、死をむかえる人だけでなく、病院に入院している友達に対してどう接すればよいのかを教えます。「ともだちでありつづける」こととありますが、絵本の内容と響きあわせてみますと、とてもたいせつで重い言葉だと思います。
『 むらさき ふうせん 』のような絵本に出会うとき、絵本を読む年齢に上限はないが下限はあると考えます。「死」ということについて現実と真実を受け入れるだけの知識と経験が読者に求められると思いました。
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※『 むらさき ふうせん 』 クリス・ラシュカ作・絵、谷川 俊太郎訳、 BL出版 2008年
【 追 記 】
題名が「むらさきふうせん」なのはなぜでしょうか?
「自分の死が 近いことを 意識するようになったとき、いまの気持ちを絵に描く機会が与えられると、子どもはよく青もしくは紫の風船が 手から離れて、ふわふわただよっていく絵を描きます。それが子どもたちの文化的、宗教的背景とかかわりないことが医療の専門家には分かっていますし、それは子どもたちが自分の一部は永遠に生き続けると、生まれつき知っていることの表れだと研究者たちは信じています。」
子どもたちのための国際ホスピス創立者・CEO
アン・アームストロング・デイレ
(2021/11/30)