これは くれよんです。
でもね このくれよんは
こんなに おおきいのです。
( どれくらい ? )
( ページをめくると、クレヨンに ねこが乗っていますよ。)
(それは、ぼくが 使うクレヨンです。)
( ぼくって 誰 ? )
ぞう。
ぞうが、
青いくれよんで、びゅー びゅー 描くと、
かえるは、本物の池 だと思って飛びこみます。
・・・
ぞうが、
赤いクレヨンで描くと、
本物の火事 だと思って 逃げ出す どうぶつたち。
黄色で描くと、おおきな バナナ。
大迫力。
でも、食べられません。
食べられないバナナを描いて、ぞうは、らいおんに 怒られてしまいました。
まだまだ 描きたりないぞう。
ぞうは、くれよんを持って駆けだしました。
さて、ぞうなることでしょうか?
( これは わたしの駄じゃれです。 )
( ほんもののゾウも絵をかくね。)
( たしかに。)
・・・
自由奔放なぞうは、長新太さんの姿にかさなります。大胆な発想で、ほんとうに笑えます。なにごとも大きすぎると、常識を飛びこえ、笑いをうみだすナンセンスになってしまいます。長新太さんのシュールな世界です。絵本のぞうのように、また本物の象のように大胆に描いてもいいんです。絵本をよむ子どもたちに、きっと絵を描きたい気持ちがわき起こってくることでしょう。
※『 ぼくの くれよん 』 長新太 おはなし・え 講談社 1993年 (2016/11/20)