ユーモアがいっぱい。
こぶたの表情がたのしい ローベルの絵本です。
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おひゃくしょうさんの家の こぶた。
やわらかーい 泥んこに、沈んでいくのが 大すき。
でも、ある朝のこと、
おくさんが、大掃除を はじめました。
うし小屋、うま小屋、とり小屋を 大掃除。
ここが いちばん きたないね。
それは、ぶた小屋。
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おくさんは、泥を掃除機で吸いとって、こぶたをお風呂にいれます。
小屋も きれいさっぱり。
でも、やわらかーい 泥んこは、なくなってしまいました。
きれいになったのに、なぜか、
こぶたの 恨めしそうな 顔。
こぶたは、こんなうち、ぴかぴかすぎてつまらないや と、逃げだしました。どろんこ探しの旅。( 笑 )
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こぶたは、おおきな町まで やってきました。
泥んこだ !
でも、
それは、セメント。
( 結果は、予測がつきますね )
セメントが、固まり、動けなくなりました。
町中の人が 集まってきます。こぶたの表情が 笑えます。
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いっぽう、こぶたを捜していた おひゃくしょうさん夫婦は、ようやく、こぶたを発見。
こぶたを救出します。
( やれやれ。 )
わが家に帰ると、大好きな泥んこが できています。
そして、気持ちよさそうに、こぶたは、しずかに、ずずずーっと沈んでゆくのです。
好きなことをしているときが、いちばんのしあわせ。こぶたの真実は、わたしたちにも同じことです。そこに共感がうまれます。また、こぶたは、子どものすがたそのものです。おひゃくしょうさん夫婦とこぶたは、親子のようです。親子のおはなしとみれば、子育てのことも学べる絵本かもしれません。
泥んこのなかに 沈むことはしないけど、泥んこ遊びは してみたい!
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※ 『 どろんこ こぶた 』 アーノルド・ローベル作 岸田衿子訳 文化出版局 1971年 (2016/2/6)