アメリカの絵本( This Is Not My Hat )なのに、タイトルは「ちがう ねん」。関西弁の訳です。
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あたまに
帽子を のせた、
ちいさな さかな。
この ぼうし ぼくの と ちがうねん。
とって きてん。
ちいさなさかなは、
大きなさかなが、寝ている間に帽子を盗んできたのです。
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きっと まだ ねてるわ。
でも、
大きなさかなは、
もう、起きています。
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ぼうしの こと なんか きがつきへんわ。
でも、
完全に気づいています。
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いきさき なんか わかれへんわ。
かにに であって も
安心。
かにと ぼくの ひみつやねん。
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でも、
かには、
大きなさかなに
行き先を指さして教えています。
( かに、教えてる じゃん )
ちいさなさかなは
海藻のジャングルをめざしてにげていきます。
迫りくる大きなさかな。
ハラハラ、
ドキドキ。
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ほらな うまいこと いったわ。
でも、
すぐ後ろに、大きなさかな・・・
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最後は ?
大きなさかなは、ちいさな帽子を取り戻し、ゆうゆうと泳いでかえります。
ちいさなさかなは、見えません。
( こわすぎやん )
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※『ちがう ねん』 ジョン・クラッセン作、長谷川義史 訳、クレヨンハウス 2012年
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【 付記 】
『ちがう ねん』( This Is Not My Hat )は 2013年コルデコット賞受賞作品です。ジョン・クラッセンの前作『どこいったん』(クレヨンハウス)もおもしろい絵本です。 くまが、盗まれたお気に入りのぼうしを探して歩きます。「ぼくの ぼうし どこいったん ? 」「みて へんわ」「ぼうしって なんや ?」。 こちらも 関西弁。ともに絵本作家・長谷川義史さんの訳です。