ノルウェーの昔話です。
むかし、
ちいさな家に 若いお百姓の夫婦が 住んでいました。
だんなさんは 畑仕事。
おかみさんは 家事。
ある夕方、だんなさんは、おかみさんに言いました。
「 おまえは、ずいぶん らくなくらしを しているもんだ。 」
おかみさんは、答えました。
「 それなら、 あすから しごとをとりかえようよ。 」
だんなさんは 家事。
おかみさんは 畑仕事。
でも、だんなさん。
( 予想はつきますが )
卵は 割るし、
ミルクは ねこに飲まれるし、
リンゴ酒も ぜんぶ こぼしてしまいました。
料理は めちゃくちゃ。
部屋も めちゃくちゃ。
・・・
それから、だんなさんは、
屋根のうえの草を 牛に食べさせようとします。
でも、牛は、屋根からすべりおち、
自分は 鍋のなか。
おかみさんは 大笑いです。
( 読者も大笑い。 )
おまえさんには ・・・
はたけしごとの ほうが、おにあいのようだよ。
家事はたいへんな仕事。おくさんの仕事をやってみて、その苦労がわかった だんなさん。その真実はノルウェーだけのことではありません。どこでも同じ、いまも同じかもしれません。この絵本は、おとうさんに読んでほしい絵本です。読み手は、おとうさんに決まりです。
・・・
※『 しごとを とりかえた だんなさん 』 ウィリアム・ウィースナー絵 あきのしょういちろう訳 童話館出版 2002年 (2018/8/10)