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長い名前をもつ、おんなのこのはなしです。
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アルマの名前は とても 長い。
アルマ・ソフィア・エスペランサ・ホセ・プーラ・カンデラ
「パパ、わたしの名前、いっぱいありすぎ」
「どれにも ひとつひとつ、ものがたりがあるんだよ」
ソフィアは、
アルマの おばあちゃんからもらった 名前。
本と詩とジャスミンの花が 大好きだった おばあちゃん。
「わたしも、本や花が すき」
エスペランサは、ひいおばあちゃんの 名前。
ホセは、おじいちゃんの 名前。
「まわりの人たちを よく見ること、愛することを、
パパは おじいちゃんから おそわったんだ」
プーラは、おおおばさん。
とても信心深いひとだった。
![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2024/04/アルマ①-1024x476.jpg)
カンデラは、もうひとりの おばあちゃん。
「おばあちゃんは、
いつだって 正義をもとめて 行動したんだよ」
「みんなから もらった、すてきな名前なんだね!
でも、アルマは? アルマは どこからきたの?」
「アルマは、パパが おまえのためにえらんだ、
とっておきの名前さ・・・
アルマの ものがたりは、
これから おまえが つくっていくんだよ」
・・・
アルマの名前にこめられた、家族の物語です。
「わたしの名前。わたしに ぴったりでしょ!
わたしはアルマ。よろしくね」
作者は、ペルー生まれのアメリカ在住の作家です。子どもの頃、フアナ・カルロタ・マルティネス・ピサロと呼ばれていたそうです。子ども時代は、自分の名前が嫌でたまらなかった、でも、アメリカで暮らすようになって、名前に自分らしさを感じ、ふるさとを思いだすと「あとがき」に書いています。2019年度コールデコット賞オナーを受賞しました。
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※『アルマの名前がながいわけ』 フアナ・マルチネス-ニール作、宇野和美訳、ゴブリン書房 2020年 (2024/4/30)