ふるはしかずおの絵本ブログ3

『アルマの名前がながいわけ』- 家族のものがたり

長い名前をもつ、おんなのこのはなしです。

    

     ・・・

アルマの名前は とても 長い。

 

  アルマ・ソフィア・エスペランサ・ホセ・プーラ・カンデラ
     

     

  「パパ、わたしの名前、いっぱいありすぎ」

  「どれにも ひとつひとつ、ものがたりがあるんだよ」

  

   

ソフィアは、

アルマの おばあちゃんからもらった 名前。
本と詩とジャスミンの花が 大好きだった おばあちゃん。


  「わたしも、本や花が すき」

  

    
エスペランサは、ひいおばあちゃんの 名前。

ホセは、おじいちゃんの 名前。

    

  「まわりの人たちを よく見ること、愛することを、

  パパは おじいちゃんから おそわったんだ」

    


プーラは、おおおばさん。

とても信心深いひとだった。

    

  

カンデラは、もうひとりの おばあちゃん。

  

  「おばあちゃんは、

  いつだって 正義をもとめて 行動したんだよ」

 

 

  「みんなから もらった、すてきな名前なんだね!

  でも、アルマは? アルマは どこからきたの?

       

     

  「アルマは、パパが おまえのためにえらんだ、

  とっておきの名前さ・・・

  アルマの ものがたりは

  これから おまえが つくっていくんだよ

 

       ・・・

アルマの名前にこめられた、家族の物語です。

 

 「わたしの名前。わたしに ぴったりでしょ!

  わたしはアルマ。よろしくね」

   

作者は、ペルー生まれのアメリカ在住の作家です。子どもの頃、フアナ・カルロタ・マルティネス・ピサロと呼ばれていたそうです。子ども時代は、自分の名前が嫌でたまらなかった、でも、アメリカで暮らすようになって、名前に自分らしさを感じ、ふるさとを思いだすと「あとがき」に書いています。2019年度コールデコット賞オナーを受賞しました。

      ・・・

※『アルマの名前がながいわけ』 フアナ・マルチネス-ニール作、宇野和美訳、ゴブリン書房 2020年  (2024/4/30)

SHARE