
「へんなかお」
「わあ、かわいい」
表紙の「ほげちゃん」。かなりのインパクトがあります。
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「ほげちゃん」とは、
おじさんから、ゆうちゃんに届いたぬいぐるみのことです。
「カバなんて、ゆうちゃん きにいるかしら」とママ。
「なまえは・・・ほげちゃんいうのはって どうだい?」とパパ。
ゆうちゃんは、
ほげちゃんを気に入りました。
だっこしたり、
手をつないだり、
味見をしたり(ほげちゃんを噛んでいます)、
本を読むのも、でんしゃごっこも、おさんぽも一緒です。
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きょうは、家族でお出かけ。
でも、ほげちゃんと猫のムウは、おいてきぼりです。
「ゆるせない-!」
ほげちゃんの不満が大爆発!

「こんないえ、めちゃくちゃの ぎったぎたの ばっこばこに してやる」
ほげちゃんが豹変します。
大あばれです。
「ケチャップを まきちらして、このいえを もっともっと きたなくしちゃうんだから!」
・・・
ところが、
猫のムウが、ケチャップを踏んでしまったのです、
ケチャップが、ほげちゃんに
ぶわわわわわわ-
「やられた……」
ケチャップが、ほげちゃんのからだに染みこんで、
ほげちゃんは動けなくなりました。
・・・
みんなが帰ってくると、ケチャップまみれのほげちゃんを発見しました。
「ほげちゃんが たいへん!」
ママとゆうちゃんは、ほげちゃんを丁寧に洗いました。
そして、
すっきり、さっぱりのほげちゃんは、つぶやきます。
「きょうは なんだか たのしかった」
憎めないキャラクターのほげちゃん。思わず笑ってしまう愛嬌たっぷりの人物です。 子どもたちの笑いを引き出すこと、確実です。 ほげちゃんは「ぼくは カバじゃなくて クマなのに!」と言っています。ほげちゃんは、カバではなくクマでした。( ほげちゃんが、クマだとは考えませんでした。ごめんなさい。)
やぎたみこさんの他の作品に、不思議な生きもの「くうたん」がでてくる絵本(『くうたん』)があります。「ほげちゃん」も「くうたん」もふつうの家族にやって来た闖入者です。ひと騒動が起こります。「くうたん」は去って行きましたが、「ほげちゃん」はゆうちゃんに愛され、家族の一員でいることでしょう。 『くうたん』にはファンタジックなところがありますが、『ほげちゃん』の方は現実的です。
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※『ほげちゃん』 やぎたみこ作、偕成社 2011年 (2021/10/12)