サグラダ・ファミリアで有名なガウディの伝記絵本です。
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ガウディの子ども時代
じょうぶな子どもではなかったけれど、
世界をじっくりと観察する子どもでした。
「自然はまるでおおきな一冊の本でした」
ガウディの家族
銅版職人の父、
金物細工の職人だった母さんの家。
ガウディは、建築家になるためにバルセロナの学校に入りました。
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ガウディの7つの世界遺産
カサ・ビセンス
グエル邸
コロニア・グエル教会
カサ・バトリョ
カサ・ミラ
グエル公園
サグラダ・ファミリア教会。
人々はカサ・ミラ( 下記【 注 】 )を見たとき大騒ぎになりました。 その家は「岩山そっくり」 「クマンバチの巣みたい」 「ケーキのおばけみたい」だったのです。
ガウディの建築物の特徴
自然をヒントにしたデザイン、
ハチの巣の形をしたドアののぞき穴、
ドラゴンがのっている門、
ドラゴンの鱗のような屋根のかわら、
キノコのかたちの小部屋、
波のようにうねった屋敷、
ねじくれた屋根の塔など。
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ガウディは、亡くなるまでサグラダ・ファミリア教会をつくりつづけました。ガウディのつくったものからは、ガウディのことばがきこえます。
ガウディの建築物の特徴について作者はこう言っています。
「タイルを多用すること、ガラスや陶器のかけらをちりばめること、植物をデザインにたくさんとりこんだこと」。「イスラム教の文化とキリスト教の文化がまざりあった、ムデハルと呼ばれるスペイン独自の様式の影響」。「うねるようなカーブのあるラインは、19世紀後半に登場した新しいスタイル-モデルニスモをとりいれたもの」。
自然から学ぶガウディの建築物が、スペインの歴史と文化に深く根付いていることがわかります。 また、深い信仰心や職人を尊敬する姿も書かれています。
ガウディの生涯と業績を知りたい人にピッタリの絵本です。建築物とガウディの思想が切り離せないことを知りました。どんなに奇抜に見えても表現された建築物と彼の心は「而二不二」です。
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※『ひらめきの建築家ガウディ』 レイチェル・ロドリゲス作、ジュリー・パシュキス絵、青山南訳、光村教育図書 2010年
【 注 】
カサ・ミラ (Casa Milà)
「 1906年から1910年にかけて実業家のペレ・ミラとその妻ルゼー・セギモンの邸宅として建設された。1984年にユネスコの世界遺産に登録された。 カサ・ミラは直線部分をまったくもたない建造物になっていて、壮麗で非常に印象的な建物である。あたかも砂丘か溶岩の波のような雰囲気をもっており、一般的な現代建築の様式とは、隔絶した建築となっている。」『ウィキペディア』
(2021/6/12)