ふるはしかずおの絵本ブログ3

『つきよのかいじゅう』- どんな怪獣なのでしょうか?

長新太さんのナンセンスな世界。爆笑の絵本です。

     ・・・

山の奥の深いみずうみ。

むかしから、かいじゅうがいる、と言われています。

 

湖のそばに

テントを張り

10年も、かいじゅうの 出てくるのを 待っている

おとこが います。

 

 

ある満月の夜、

ついに かいじゅうが 現れました。

おとこは 夢中で写真をとります。

 

かいじゅうは どんどん おおきくなります。

 

おとこは 想像します。

こんな かいじゅうだろうか。

それとも こんな かいじゅうだろうか。

 

ぐーんと おおきく なるかいじゅう。

おとこは むねが ドキドキ。

 

 

 わーっ、これは なんだろう?

 

 

  これはね、みずうみにすんでいる おおおとこが

  シンクロナイズド・スイミングを

  しているところなの。

   

  

   ボコボコ ボコボコ

   ボコボコ ボン

 

  ボコ ボコ ボコ ボコ

  ボコ ボコ ボン

 

   ボコボコ ボコボコ ボコボコ ボン

 

   ボコボコ ボコボコ ボコボコ ボン

 

「ネッシーみたいな かいじゅうを まっているんだ」

と おとこは がっがりしました。

 

         ・・・

湖のそばにテントを張り、10年も怪獣を待っている おとこの設定も、ナンセンスな世界の一部です。湖に現れるおおおとこが、足だけ出して シンクロナイズド・スイミングを しています。大笑いです。でも、おとこは、「ネッシーみたいな かいじゅうを まって」いて、がっかりしています。読者の感覚とずれている おとこです。

 

長新太さんのナンセンスな世界が全開です。語るより、見るのが一番です。

敬体で紹介しましたが、絵本の文章は「だ・である」の常体です。

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※『つきよのかいじゅう』 長新太作、佼成出版社  1990年  (2023/4/12)

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