さくらの1年を描いた絵本です。
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わたしは き。
さくらの き。
なまえは ソメイヨシノ。
(一人称視点、語り手は桜です)
ほうら、さいた!
満開の桜です。
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ひよどりやすずめに、花の蜜をわけてあげます。
そして、
落花。
地面に花びらの雪が積もります。
でも、
ほら、見て、見て。
葉っぱのあかちゃん。
ぐんぐん のびて おおきくなる。
新緑の桜です。
さくらんぼが 赤くなります。
梅雨。
夏。
じーい じい じい
せみが 桜の幹で鳴いています。
虫たちは、葉っぱを食べています。
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紅葉の秋。
北風が吹き始めます。
葉っぱが散っていきます。
でも、わたしのめ(芽)は、寒さの中で しずかに生きている。
春風が吹く頃、
め(芽)は、蕾になり、
のびる のびる ぐん ぐん ぐん。
ひとつの 花目から たくさんの花が咲きます。
みごと、みごと!
わたしは さくら。
ソメイヨシノ。
桜の1年を描きました。いのちある桜を表現しています。常敬体の散文詩のような文章です。生き生きとした桜の絵も素敵です。桜は春だけの木ではありません。1年を通して変化し成長していきます。
また、一人称視点で桜を語り手にしたことで、わたし(桜)のこころ、気持ちを表現することができました。「むしさんたち、はっぱを おたべ」「かぜよ ふけ、 さむさよ こい」「わたしの あかちゃんが うまれそう」。桜の声、桜のこころ、生きている桜をつよく実感します。
ソメイヨシノが、咲くのももうすぐです。
桜はソメイヨシノだけではありません。静岡県でいいますと、あたみ桜、河津桜はもう咲きました。裏表紙に、ヤマザラ、シダレザクラ、オオシマザクラ、カンザン、カンヒザクラの絵が描かれています。
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※『さくら』長谷川摂子作、矢間芳子絵、福音館書店 2010年 (2022/2/27)