「応援しとるよ」
「私の折々の言葉コンテスト」の部門賞に選ばれた言葉です。朝日新聞の「天声人語」に紹介されていました。「高2の岡野芽依さんが母からもらった手紙に書かれていた。「がんばれ」の文字を消しゴムで消した跡がある。どんな言葉を選べば気持ちが伝わるか。迷いや悩みが、そのまま物語になる。」(「天声人語」2020.1.7)
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「きっと きっと まもってあげる」
守りたい人がいる、守りたいものがある。
この言葉も物語を紡ぎだしました。
おっと、あぶない!
だれが ぼうやを まもってくれる?
「わたしよ」と、おかあさん。
海が荒れたら、
ふたりをまもるのは、
「わたしだ」と、せんちょうさん。
嵐の海で 船をまもるのは、
空の おほしさま。
港にたどりつくまで、
道案内をします。
お星さまは考えます。
だれが わたしを まもってくれるのかしら?
「もちろん、ぼく」
ぼくは言います。
「あなたが おちてきても だいじょうぶ、ぼくが まもって あげるから」
「きっと きっと まもってあげる」とは、「いつもそばにいるよ」ということの裏返しです。いっしょにいてくれるだけでも力をもらえます。その人が「きっと きっと まもってあげる」と言うのですから、これ以上心強いことはありません。また、ぼくとおかあさんと船長が船に乗り海で嵐に出合う設定は、海を人生になぞらえているのかもしれません。
ところで、父親はどこにいるのでしょうか? 父親はおはなしには出てきませんが、家にいて家族を待っていました。絵で表現されています。
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※『きっと きっと まもってあげる』 マーク・スペリング文、レイン・マーロウ絵、やまねもとよ訳、評論社 2015年 (2020/2/9)