福島県はカエル王国です。カエルを通じて描かれた、福島からのメッセージです。
トウキョウダルマガエル
ツチガエル
カジカガエル
アカガエル
アズマヒキガエル
モリアオガエルの たまごは
木の上から ぶらさがっている。
モリアオガエルのいる田んぼは、モリアオガエルのために、みんなで田植えを続けている。
モリアオガエルは、
泡のような かたまりを つくり、
その中で たまごは オタマジャクシになり、
下の沼に とびこむ。
2011年3月11日
東京電力福島第1原発の 爆発事故。
放射能で 汚染された
おおきな 青いふくろが
あちこちに つみあげられている。
田んぼのそばにも つみあげられている。
青いふくろのあいだに 二ホンアマガエルがいる!
カエルは、
はだかで くらしている。
土や水の よごれに 敏感だ。
原発事故の被害を うけたのは、カエルも同じ。
カエルの目に
この世界は どのように 映っているのだろうか。
人のいない土地で、きえていく カエルもいる。
人とともに くらしていた カエルだ。
わたしたちの願いは
みんなが ふるさとに「かえる」こと。
福島が 以前のすがたに、よみ「がえる」こと。
福島を「かえる」こと。
・・・
「カエルは、はだかで くらしている」と言う文が印象的です。
いまも、カエルたちは、命をつないでいることでしょう。
著者の「あとがき」がありました。
さまざまな表情をみせてくれる カエルたち。
喜び、
怒り、
悲しみ、
楽しみ、
ときには 私を馬鹿にしたようにも 感じられる。
慰めてくれるように 感じられる。
「わたしたちは、カエルたちとともに福島で生きていきます。」
・・・
※『かえるふくしま』 矢内靖史写真・文、ポプラ社 2016年 (2023/8/18)