![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2023/03/-e1679879606643.jpg)
「おやすみなさい」の絵本です。
どのように、子どもを眠りに誘うのでしょうか。
・・・
月がのぼり、
うごくもののない、しずかな 夜。
おやすみなさいが ゆっくりと
やねのうえに おりてきました
とんがり屋根の 家の窓から、「おやすみなさい」
窓の下をとおる 甘栗売りが、「おやすみなさい」
家に帰ってきた 女の人も、
赤ん坊を抱いた お母さんも、「おやすみなさい」
屋根のうえの こねこが 言います。
「だれか ぼくといっしょに あそばない?」
でも、おやすみなさいは・・・
まちに ひろがりはじめて いるのです
テレビの 女の人が、「おやすみなさい」
おまわりさんが、 「おやすみなさい」
しょうぼうしが、 「おやすみなさい」
![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2023/03/おやすみなさい①.jpg)
眠りかけている 犬に 「おやすみなさい」
屋根の上の こねこは、ないています。
「だれか ぼくといっしょに あそばない?」
でも、おやすみなさいは・・・
まちじゅうに ひろがっているのです
おんなのこは、
おかあさんに
おとうさんに
おにいさんに 「おやすみなさい」
おやすみなさいは まちを やさしくつつみこんで
じっと うごかなくなりました
こねこも いいます。 「おやすみなさい おかあさん」
ねこの おかあさんも、「おやすみなさい」
![](https://ehon.furuhashi-kazuo.com/wordpress/wp-content/uploads/2023/03/おやすみなさい②.jpg)
白、黒、黄色の3色だけの絵。色使いが落ち着いています。
そのなかで、黄色がとても印象的です。月明かりの黄色、部屋の中の光の黄色。「おやすみなさい」の文字も黄色です。さいごは、部屋の明かりはみんな消え、月明かりだけになりました。
遊びたい、こねこが出てきます。「だれか ぼくといっしょに あそばない?」と言っていたこねこも、最後は「おやすみなさい おかあさん」。ねこは、読者の子どものことでしょう。
「おやすみなさい」は、最後は「じっと うごかなくなりました」。
「おやすみなさい」のリフレイン、ゆったりとしたリズムが、眠りにさそいます。
・・・
※『おやすみなさい』 イブ・ライス作、片山令子訳、ほるぷ出版 1995年 (2023/10/11)