ふるはしかずおの絵本ブログ3

『おじいちゃんのコート』- コートを通しておじいちゃんの人生を語る

おじいちゃんのコートが、どんどん小さくなり、別のものになっていきました。

なにに?

  

        ・・・    

アメリカに移民した、若き日の おじいちゃん。

洋服の 仕立屋になり、

おばあちゃんと 結婚します。

  

 おじいちゃんは、

 結婚式のため、

     

 はさみでチョキチョキ

 ミシンでカタカタ

 針でチクチクぬって

 立派な コートを つくりました

  

でも、

コートは、

すこしずつ

すりきれ 

ぼろぼろに なりました!

     

おじいちゃんは、

はさみでチョキチョキ、

ミシンでカタカタ、

針でチクチクぬって、

すてきな 上着を つくりました。

 

上着も ぼろぼろに なりました!

  

  

 くりかえしです。

 上着から ベスト

 ベストから ネクタイ

   

ネクタイも ぼろぼろに なりました!

   

ぽろぼろの ネクタイを

はさみでチョキチョキ、

ミシンでカタカタ、

針でチクチクぬって、

ひまごの おもちゃに

   

   

おもちゃも ぼろぼろ

最後は、

おかあさんねずみが 

ほぐして、

ふわふわの やわらかい 巣にしました。

   

でも、

それも

かげもかたちも なくなりました!

   

  のこったのは、このおはなしだけ。

    

       ・・・

『おじいちゃんのコート』は、イディッシュ語の民謡「ぼくは すてきなコートをもっていた」を基にしたはなしですが、アメリカ移民の4世代を背景にしたところに、おもしろさがあります。おじいちゃんのコートは、よれよれ、ボロボロになり、上着、ベスト、ネクタイ・・・と変わっていきますが、それはおじいちゃんの人生、家族の生活の変化と重なります。

   

同じ題材の『ヨセフの だいじな コート』(シムズ・タバック作・絵、木坂 涼訳、フレーベル館、2001年)という絵本もあります。

    

また、イディッシュ語は、「 インド – ヨーロッパ語族のゲルマン語派に属する言語。表記にはヘブライ文字を用いる。中世ドイツ語方言を基礎とし、ヘブライ語、アラム語、スラブ語派などの影響を受けて形成された。もとは 中欧・東欧系のユダヤ人が用いたが、現在はイスラエルをはじめ  世界各地のユダヤ人によって使用される」 (デジタル 大辞泉の解説)

    

       ・・・

※『おじいちゃんのコート』 ジム・エイルズワース文、バーバラ・マクリントック絵、福本友美子訳、ほるぷ出版 2015年  (2024/1/16)

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