
うんこネタが大好きなどもたちにぴったりの絵本です。
でも、うんこ?
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「ただいま-」
とうさんが1週間の旅から帰ってきました。
しょうへいは、自分の描いた絵を見せました。
「なんだしょうへい。これは?」
「1週間のぼくの絵日記」
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それは、
でっかいうんこの絵でした。
7だんうんこの絵です。
「1だんめは・・・月曜日の夜のおみそしる。・・・わかめはぼくが、きったのさ。」
「2だんめは・・・火曜日の夜のほうれ草のごまあえ。赤いくきのところも食べたんだ」
「3だんめは・・・水曜日のぶたじる」
「4だんめは・・・木曜日、はじめて食べた ゴーヤチャンプル」
「5だんめは・・・金曜日の冷やし中華」
「6だんめは・・・きのうのチャーハン」
「7だんめは・・・いまから食べる エビフライ」
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「この絵はすごい、すごすぎる。」
とうさんは、絵に名前をいれました。
「どうだ、しょうへい」

きょうは、とうさんとかあさんとしょうへいと。
3にんでそろって、「いただきまーす」。
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「寄物陳思」という伝統的な歌の詠み方があります。 「万葉集で相聞に属する歌の一類。ある物によせて間接的に心情を述べた歌」( デジタル大辞泉 )のことです。恋愛の歌が多いのですが、 親子・兄弟・友人など 親しい人と情を通じあう歌もあります。
この絵本の場合、ある意味、 物に託して思いを表現する「寄物陳思」の「うんこ」版です。うんこを通して「ある思い」を表現していると言えるかも知れません。(「寄物陳思」とは違うんじゃない! ) 確かに。でも、お互いを思いやる家族の温かな姿と心が描かれています。
うんち、おしっこ、おならの絵本は子どもの喜ぶところですが、これらの題材を扱ううえで大切なことは作者の思想であり表現のユーモアです。
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※『 うんこ日記 』 村中季衣文、川端誠絵、BL出版 2004年 (2021/12/5)