
「11ぴきのねこ」シリーズの馬場のぼるさん(1927-2001)の絵本です。
ふろふき大根を愛する、山男が、
キツネと 殿様の たたかいを 終わらせました。
山男が、森で
キツネの 兵隊たちに よびとめられました
キツネは、お城の とのさまと 争っていました
「おまえが、わが軍にはいれば、オニに かなぼう」と、言われ
山男は キツネの軍に はいりました
いっぽう、
さむがりやの 殿様は
キツネを 毛がわに しようとしています
キツネたちは 森に ようさいを きずきましたが、
山男は
はらっぱを たがやし 大根畑を つくっています
ぶどう酒も つくりました
さむくなったら、ふろふきだいこんを つくり
ぶどう酒を 飲もう、と考えています
「きたあっ、きたきたきた。きたっ」
どどどどどどっ
とのさま軍が 森に せめこんできました
キツネ軍は、ようさいを やぶられ
だいこんばたけに かくれました
ところがどっこい
山男が 2トン半の 石を もちあげ
とのさま軍を にらみつけました
「だいこんばたけを あらすと、石をおとすぞうっ」
けいせいは ぎゃくてん
とのさま軍は わらわら にげだしました

冬に なりました
山男は ふろふきだいこんの 味噌がなくなったので、
大根をもって 味噌を買いに 山から おりてきました
でも、山男は とのさまの兵隊に 捕まってしまいました
とのさまの前で
「ふろふきだいこん」が、元気の素と はなすと
「ふろふきとやらを おしえてくれませんか」と
奥方が 言いました
山男は クッキングのこうしゅうを はじめました
できあがった ふろふきだいこんを 食べると
みんなの顔が ほかほか あかくなりました
さむがりの とのさまも 大満足です
次の年の 秋
とのさまの お城の庭は、
いちめん だいこん畑に なりました
森のキツネたちは、もう へいたいの ばけかたなどは
とんと わすれてしまいました
ふろふき大根を食べて、ぶどう酒を飲むのが楽しみの、争いを好まない山男。また、兵隊にばけて、殿様とたたかうキツネたち。きつねの毛がわを欲しがる、さむがりやの殿様。人物にユーモアがあります。
ほくほくして、食べたくなるふろふき大根。ふろふき大根は、子どもの身近な食べものとは言えないかもしれませんが、どんな食べ物か知りたくなり、食べて見たくなる子もいるでしょう。
笑い話ですが、ふろふき大根が大好きな山男が、キツネと殿様の争いをおさめました。婉曲な表現を通して、平和への願いをこめているように思います。
「バトン・ガールみたいに」「クッキングのこうしゅう」という外来語が笑えます。
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※『きつね森の山男』 馬場のぼる作、こぐま社 1971年 (2026/2/15)









