ふるはしかずおの絵本ブログ3

『こねこのおひげちゃん』- 語り手もおはなしに加わります 

女の子とこねこの日常のひとこまを、リズムのある文章でかたります。

  

   

女の子は こねこを ねかしつけたんだよ

でも、あらあら まあ

  

しっぽを まくらに

おつむは ふとんに

なんて ねぞうの わるい子

   

   

女の子は こねこを おふろに いれようと したんだよ

こねこ、おふろは まっぴらごめんと

せんめんきから にげだした

  

    

女の子は ことばの おけいこ したんだよ

     

 こねこちやん、いいなさい。おばあちゃん

 こねこの こたえは にゃーお

 さ、いいなさい。う、ま

 それでも こたえは にゃーお

   

   

こねこちゃん ごはんですよ

おちゃわん いっぱいの オートミールよ

けれども こねこは いや、いや

おさらに ミルクを いれてあげると

こねこは ぺろぺろ

    

   

散歩から かえると 

こねこは えんぴつを ころころ ころがしてあそぶ

おきゃくさんが えんぴつで

    

 すってんころり

 すべって ころんだ

 なんて ばかちゃん こねこちゃん!

   

    

こねこを ショールに くるんで

公園へ

みんなは きいた

  

 「それ、だれ?」

   

ほっぺは はいいろ

おてては もじゃもじゃ

おひげはやして パパみたい

   

こねこは ぴょんと とびだし

みんなに みられちゃった

  

 ほんとに ばかちゃん こねこちゃん!

    

それから それから

こねこは りこうな ねこに なったよ

女の子も いまでは 小学1年生 

 

            

女の子とこねこのほほえましい日常のひとこまを描いた絵本です。

『森は生きている』のサムイルマルシャーク(1887‐1964)のリズムのある詩的な文章は、子どもに語りかけるような感じです。語り手も人物のひとりです。「あらあら まあ」「ほんとに ばかちゃん こねこちゃん!」とおはなしに参加しています。内田莉莎子(1928-1997)さんの訳は、音数律をいかしたものですが、このあらすじでは十分ではありませんので、絵本を読んでいただければと思います。

      

『しずかなおはなし』のウラジーミル・レーベデフ(1891-1967)の絵は、レトロな感じですが、こねこのいろいろな姿を描いています。少女になった女の子のすがたも、さいごに描かれています。

      

この絵本には、「しゅりょう」(狩猟)という、世界各地の狩りをするひとたちと動物を描いた話もおさめられています。

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※『こねこのおひげちゃん』 マルシャーク文、レーベデフ絵、内田莉莎子訳、岩波書店 1978年 (2026/3/3)

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