ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ぼくのいちにちどんなおと?』- 身のまわりの音たち
66

『もけらもけら』『つきよのおんがくかい』の作者、ジャズ・ピアニストの山下洋輔さんの絵本です。

身のまわりの音を楽しみましょう
幼稚園児のこうちゃんの回りにはたくさんの音がありました。

      ・・・

「おはようございまーす」
こうちゃんは顔をあらいます。
ぴちゃら
ぱしゃら
ぷるぷるぷる
ぺしゃら
ぱしゃら
ぷるぷるぷる

       ・・・

幼稚園に行く途中

犬とねこが喧嘩しています。
にゃごら にゃごら
きばがきがき
ほらおん
ほらおん
ぐわわんわん

幼稚園で
とんちゃんが こうちゃんの積み木をこわしました。
こうちゃんも とんちゃんの積み木をこわしました。
がげごん ごげごん がげがげがげ…
オノマトペ( 声喩 )がいっぱいです。

      ・・・
幼稚園から帰って

家で水遊び。
いたずらして、おかあさんが怒ります。
ジュースを飲む こうちゃん。
晩ごはん、ビールを飲む おとうさん。
しゃばどびどば しゃわしゃばしゃば
歯をみがく こうちゃん。
「おやすみなさーい」
こうちゃんが眠った後でも、
ぐすら ぐすら・・・くすくすぐうすら

どの場面でもオノマトペがふんだんに使われています。フォントを変えタイポグラフィを駆使して、音に豊かな表情を与えています。全部は書ききれませんでしたが、こうちゃんが顔を洗う時、犬とねこの喧嘩、ビールの場面のオノマトペは書きました。声に出して読むことで楽しさが倍増します。読み手は絵本の演奏家です。ジャズのように即興演奏(読みかたり)を楽しんでください。また、むろまいこさんの絵は、陶器を絵に貼り付け「もの」と「こと」を表現しています。音のイメージにぴったりの形です。目に見えない音を 目に見える形にしました。

       ・・・

※『 ぼくのいちにち どんなおと? 』山下 洋輔文、むろまいこ絵、福音館書店  2016年  (2019/8/23)

SHARE