ふるはしかずおの絵本ブログ3

『マドレンカ』- 「わたしね、世界を まわってたの」

いろいろな民族の人たちがくらす、ニューヨークが舞台です。

       

       

宇宙のなかの ある惑星の ある大陸の ある国の 

ある町の ある建物の ある窓のなかに

ひとりの 女の子が いた

なまえは マドレンカ

     

いま、歯がぐらぐらすることに 気がついた

      

 みんなに しらせなくっちゃ

     

    

ガストンさんの パンやさん

わたし 歯が ぐらぐらするのよ!

    

 そりゃ、おいわい しなくちゃね。

    

     

インドの シンさんは 新聞、雑誌、おかしを売っています。

わたし 歯が ぐらぐするのよ!

   

 そいつは よいしらせじゃ!

     

     

アイスを 売る ひとは イタリア人

きょうの アイスは おごってやるよ    

おはなししてあげるわ、とドイツのおばあさん

やおやの エドワードさんは セリョリータ マドレンカ!

     

    

友だちの クレオパトラは・・・

    

 やったね! じゃ、なか庭であそぼうよ

     

     

カームおばさんにも しらせなきゃ

カームおばさんは アジア(チベット)からやってきた

   

 あいやー!

 そりゃ 神さまからの おしらせだよ!

   

    

マドレンカ、どこに いっていたの?

ええと・・・

わたしね、世界を まわってたの

それにね、わたし、歯が ぬけたのよ!

    

 

マドレンカには、歯がぐらぐらしていることを知らせたい、たくさんの知り合いがいます。かれらは、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、インド・パンジャブ語、チベット語をはなしています。多くの民族が暮らすニューヨークの街のすがたです。マドレンカにとって、歯が抜けるのは「人生最高の日」です。マドレンカを見守る人たちとの会話は、異文化を自然に受け入れているマドレンカのすがたです。

   

シスの絵には、それぞれの言語を話す人たちの文化の特徴をしめすもの(星の王子様、ピサの斜塔、グリム童話、仏像・・・)が、たくさん散りばめられています。

 

そして、みんな、ニューヨーカーであり、地球の一員です。

わたしたちはみな、大宇宙のなかの小さな星、地球にすんでいることを語っています。

    

          ・・・

※『マドレンカ』 ピーター・シス作、松田素子訳 BL出版 2001年

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