ふるはしかずおの絵本ブログ3

『ほんとに ほんとに ほしいもの』- お星さまに願うと・・・

愛情豊かに生きる家族を わたしの視点から 描いています。

     

        ・・・

 「もうあと三日で、わたしの たんじょう日だよね

   

かあさんと わたしは、

びんに 貯めている お金を 調べました。

そのお金で、前に

かあさんのいすを 買いました。

  (前作『かあさんのいす』)

       

     

 「ねえ、こんどは なにを買うの?

     

 「ローザに 素敵なものを 買ってあげたいの」

 「ローザ、ほんとに ほんとに 好きなものを 買うんだよ!」

  と おばあちゃん。

        

       

わたしは、

ローラースケートを 買おうとします。

でも、

ローラースケートが、

ほんとに ほんとに ほしいものか、かわからなくなりました。

      

洋服と サンダルと ナップザックを 見ました。

でも、

サンダルも、

ナップザックも

ほんとに ほんとに ほしいものか、かわからなくなりました。

    

       

 「なんにも きめられない、どうしよう

   

空の星に、

お願い事をしてごらん、とかあさんが 言いました。

  

  

  お星さま

  お星さま
  いちばん星の お星さま

  おしえて ください

  わたしの ほんとに ほしいもの
    

     

アコーディオンの音が きこえます。

アコーディオンの音色を 聞いて、わたしは想像します。

みんな、踊っています。

わたしは 公園のステージに 立っています。

どんな音楽でも 思い通りに ひけるのです。

      

  

わたしの たんじょう日、

わたしは、中古の アコーディオンを 買いました。

アコーディオンは、わたしといっしょに 歌うのを待っています。

        

           ・・・

アメリカで暮らす マイノリティの家族を題材とした絵本です。支え合い、お互いを思いやりながら、生きる家族です。わたしは、誕生日のお祝いの品として、アコーディオンを選びました。それは、ローラースケート、洋服、サンダル、ナップザックとは、やはり決定的に違います。アコーディオンは、私が想像しているように、みんなと歌い、楽しめるものです。

    

この絵本は、『かあさんのいす』の続編です。また、次の作品(『うたいましょうおどりましょう』)では、このアコーディオンが活躍します。

     

         ・・・

※『ほんとに ほんとに ほしいもの』 ベラ. B.ウィリアムズ作 佐野洋子訳 あかね書房 1998年

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