ふるはしかずおの絵本ブログ3

『おうさまのくつ』- 履き心地の良さこそ靴のねうち

うぬぼれやの靴が、王さまの靴に なりました。

どのようにして、なったのでしょうか?

     

    

むかし

靴屋が

刺繍され、きんいろに かがやく 靴をつくりました

     

きんいろに かがやく 靴は、

「お城の王さまにぴったりだ」と、うぬぼれました

     

     

 さあ、お城にいくぞ

   

   

でも、どしやぶりの雨が 降りだし

靴は びょぬれ 泥まみれ   

        

    

うぬぼれやの 靴は

お城の台所で

アップルパイを ふんづけ

   

仕立て部屋で 

毛皮の マントを ふんづけ

ペンキ塗りたての 青い部屋を 泥だらけに してしまいました

コック、仕立屋、ペンキ屋が 靴を 追いかけ

王さまの 寝室へ やってきました  

   

      

このベッドの したじゃ!」 

王さまは、小さな声で、いいました

   

 

「そんなところに かくれていたのか!」

と、三にんは さけびました  

うぬぼれやの 靴は、お城をとびだし 逃げました

   

(後半です)

     

 「のぼせあがって、おしろまで いかなければ よかった」

  と、右足が 言いました

 「ほんとに そうだ」と、左足が 言いました

   

靴屋の主人は 

こんな看板を つけて

うぬぼれ靴を 店のショーウィンドーに 飾りました

 

 

 おうさまが おはきに なるような くつに なおします

 あなたの くつ

 こんなふうに くたびれて いませんか?

 ぜひ おたちよりを!

   

  

その看板を、だれが見た、と思いますか ?

そうです

王さまです

 

 「なんて はきごこちの よさそうな くつじゃ!

 

うぬぼれやの 靴は

こうして

お城で くらすように なりました

王さまは、森へ散歩をするとき、ゴルフをするときなど

くつろぐとき、その靴を はきました

   

 そんなときに はかれる くつこそ

 ほんものの〈おうさまのくつ〉だと おもいませんか?

  

           ・・・

靴は、確かに立派な靴でした。表紙の絵にくわえて、文章でこのように描写されています。

     

「くにじゅうで いちばん じょうとうな かわを つかい、こまかい もようが ししゅうされ、きんいろに かがやくまで みがきあげられていました」

     

うぬぼれやになったとしても不思議ではないような靴です。しかし、靴は、履き心地の良さこそ、靴の大切な「用」の価値です。そして、見た目がよく、かっこよければ、もっと良いでしょう。

     

右足と左足の靴が、会話するところに、ユーモアがあります。

ルイス・ストロボキン(1903~1980年)の絵は、とても動きがあります。

      ・・・

※『おうさまのくつ』 ヘレン・ビル文、ルイス・スロボドキン絵、こみやゆう訳 瑞雲舎 2015年  (2025/9/20)

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